日本における「検討します」は、遠まわしな断り文句の1つだ。しかし、異文化コミュニケーションでは、トラブルのもとでしかない。どうすればいいのだろうか?

「検討します」「善処します」が
ダメな理由

 売り込み(営業)に対して、興味がなければ興味がないと、はっきり言おう。ズルズルと興味があるようなフリをしていると、「興味がないのならないで、何で早く言ってくれなかった?!」とトラブルの元になる。

 日本人がよく使う「検討します」の直訳はI’ll think about it.となり、「善処します」はI’ll try.で、「難しいです」はIt’s a little difficult. だ。

 しかし、このような表現は、相手にまだ交渉の余地があると期待をもたせてしまう可能性があるのだ。

 たとえば、「難しい」といっても、「難しいけど何とかなるのか」「難しい原因を解決すれば何とかなるのか」「今が駄目ならいつならいいのか」などなど、さまざまな解釈が可能だ。

異文化コミュニケーションで、「検討します」はトラブルのもと!

「考えておく」は、数日後に「考えておく、ということだったが、その後、どうなりましたか」というフォローアップが入り、最悪、「考えておくといったじゃないか!」と相手が逆上することもある。できない場合は、はっきりとできない旨を伝えよう。例を紹介しよう。

× It would be difficult for us to discount the price. Thank you for your understanding.
(値引きするのは難しいでしょう。ご理解ありがとうございます)
 We are unable to discount the price.
(値引きはいたしかねます)

 悪い例の「Thank you for your understanding.」は決して間違いではない。ネイティブスピーカーも利用する表現だ。

 しかし、日本人の場合、「ご理解ありがとうございます」という意味で乱用する人が多い。相手に譲歩や無理な依頼をしているのでなければ、こうした表現は必要ではない。

 悪いニュースを伝えるときにトーンを和らげたければ、unfortunately やI’m afraidを使おう。具体的な例を紹介する。