事業の舵取りをするための海図を読めるか

リーダーには「抽象化・概念化」の能力が必須高山信彦[株式会社イナクト代表取締役]   1956年山口県生まれ。慶應義塾大学法学部卒業後、富士ゼロックス株式会社に入社。在職中の87年~88年に慶應義塾大学大学院経営管理研究科に派遣され経営学修士号(MBA)を取得。91年に「株式会社イナクト」を設立し、同社代表取締役に。以来、一貫して選抜人材を対象とした企業内ビジネススクールを企画・運営の仕事をする。東レ、JR西日本、みずほフィナンシャルグループ、商船三井、全日空、パナソニック電工などの大手・中堅企業等で、25年にわたって、のべ5000人以上の生徒を教える。その多くで経営トップのコミットのもと、将来の幹部候補生たちが「経営学」を武器として身につけ、会社の方向性そのものを変えていくような人材に育つのをサポートしてきた。著書に『経営学を使える武器にする』(新潮社)がある。

「会社の舵取り」という言葉があります。

 会社を巨大な船に、社長を船長に見立てているのです。

 本物の船長は海図と気象図があれば、どんな船種(コンテナ船、ばら積み船、油送船)でもどんな航路でも操船できます。

 では、あなたはどうですか?

 いつの日か事業の舵取りを任されたときに、どんな業種でも、どんな市場でも対応できますか?

 海図や気象図の読み取り能力がなければ、我流で船を動かすことになり大事故に至るのは必至です。

 企業経営において海図が読めるとは、マーケティング、研究開発、調達、生産、販売、物流、サービス、会計、財務、人事、情報システムといった経営管理、戦略に関する基礎知識を持ちフレームワークが理解できるということです。

 あなたがリーダーを目指すなら、ぜひ海図が読めるよう勉強してください。