経営資源の差に成功要因を見出す資源アプローチ
(2)資源アプローチ
自社の内側に注目し、経営資源の差による成功要因を突き詰めるのが、4つのアプローチの図の左下の資源アプローチです。この代表と言えるのがジェイB.バーニーです。
これは、経営資源の異質性(企業は生産資源の集合体=束であり、個々の企業ごとに経営資源が異なる)と経営資源の固着性(経営資源にはマネするコストが非常に大きかったり、その供給が非弾力的なものがある=都心の駅周辺の土地など)に注目する方法論です。
経営資源には、人的資源(個々の人材の能力と経験、教育訓練)、物的資源(オフィス、工場、店舗、設備、立地)、財務的資源(金銭的資源)、情報的経営資源(目に見えないものでノウハウ、ブランド、チャネル)等があります。
顧客から見て特別な価値のある商品、サービスを生み出す自社ならではの経営資源とは何かを意識し、それを強化したり、他社の模倣不可能性を高めるのが、この資源アプローチです。
顧客が誰か、顧客が何を重視しているかによって、必要な経営資源は異なります。
自動車業界であれば、スズキとベンツとポルシェでは、客層も求めるものも違います。
また、資源アプローチとポジショニングアプローチは、どちらか一方さえやればいいというものではなく、両者のバランスが大事です。セットで考えねばなりません。