人材育成と事業変革を同時に達成する「伝説の研修」で多くの幹部人材を輩出してきたコンサルタントの高山信彦氏が、次世代の幹部人材になるための要諦を説く連載。第4回は、経営学の基本となる4つの学派について解説する。

経営学の4つの戦略学派

 第2回の連載で紹介した「経営戦略の構造図」にもありましたが、ここでは4つの戦略学派について解説します。

 以下の図をご覧ください(出典 青島矢一、加藤俊彦著『競争戦略論』)。

経営学には「4つ」の種類がある(前篇)

 これは、世に数多ある経営戦略論を分類する概念図の一つです。

 経営戦略論の歴史は意外と浅く、多くは1950年代に誕生しました。

 縦軸として大きく2つ、「外側重視派」(外部環境:競争相手や顧客を重視する派)と「内側重視派」(内部環境:経営資源を重視する派)に分かれます。

 横軸も大きく2つ、外や内での成功要因をロジカルに突き詰めていく「要因重視派」と、外や内での時間的経過の中でダイナミックなプロセスを重視する「プロセス重視派」に分かれます。

 経験的に言うと、縦軸の「外側重視派」と「内側重視派」は理解しやすいですが、横軸が理解しにくいようです。

 論理的だが静止画的な限界がある「要因重視派」と、時間を追える動画的な良さがあるけれど論理が曖昧になりがちな「プロセス重視派」と覚えてください。