『中谷彰宏の人生道場』テーマ第3弾は「大人のマナー」です。マナーには2通りあって、おじぎの角度やタクシーに乗る順番など、新人研修で習うマナーは「守りのマナー」と言えます。しかし、実践で役立つのは臨機応変に対応しなければならない「攻めのマナー」の方です。今回から、一般的には紹介されることの少ない「攻めのマナー」を伝授していきたいと思います。
小さいことほど、報告する。
大きいことの報告は誰でもします。そこでは個人個人の差は出ません。伸びる人と伸びない人との差は、小さいことをどれだけ報告できるかにかかっています。
「こんなことは報告しなくても」とか「報告したからといって、どうということはない」という報告が、一番意味があるのです。「異常なし」とか「万事予定どおり」という報告もすることです。
TVドラマ「古畑任三郎」で古畑任三郎が気づくことは、結局、小さいことです。
アリtoキリギリスの石井正則さんが「これは全然関係ないと思いますけど、こんなことがあったんです」とポロッと言うと、西村雅彦さんが「そんなつまらないこと、報告するなよ」と言います。
でも、そこで古畑任三郎は「うん? 面白いね」と言うのです。
報告は小さいことでOKです。上司には「そんな小さいことは報告しなくていい」と言われます。
そこで「今度から報告をしない」と思ってはいけません。上司にはさんざん報告をして、「そんな小さいことは任せるから、報告しなくていい」と言わせるのです。
そうすると、いつの間にか仕事を任せてもらえるようになります。
上司から「あれはどうなった? 問題ないの」と言われてから「問題ありません」と答えていると、いつまでたっても仕事を任せてもらえません。
自分から「例の件ですけど問題ありません。ただ1つちょっと気になるのは……」と言うことです。
「そんなのささいな問題だから大丈夫だよ」「そんなことを報告しなくていい」と言っている上司自身が、実は報告されたことで安心しているのです。
【大人のマナーその8】「こんなことまで」を報告しよう。