パラレルキャリアの魅力は、単純に楽しい!

 前回までの連載の中では、プロボノ、サードプレイス、シニアというキーワードとパラレルキャリアの関係についてお話ししてきました。それぞれにパラレルキャリアを実践する意義があったわけです。

 ただ、パラレルキャリアの魅力は、そのような意義だけにとどまりません。なぜ、多くの人がパラレルキャリアに魅力を感じるのか。それは、単純に楽しいからではないでしょうか。パラレルキャリアを実践することで、大人になってからでも新しい楽しみを見出すことができたというわけです。

週末の草野球、はたまた大人の文化祭

 では、パラレルキャリアは、なぜ楽しいのでしょうか?

 ここで、パラレルキャリアを楽しむ達人、田中潤氏についてご紹介したいと思います。田中氏の本業は、株式会社ぐるなびの人事責任者。一方、名刺は2枚どころか、すべて合わせると何枚になるのか、想像もつかないくらいです。たとえば、一般社団法人経営学習研究所の理事、にっぽんお好み焼き協会の理事なども務めています。

 このように紹介すると、忙しい中でも時間をやりくりして社会活動に取り組む側面ばかりが注目され、やはりパラレルキャリアは特別な人でなければ実践できないのかと思われるかもしれません。

 しかし筆者が注目しているのは、田中氏の肩の力が抜けている姿勢です。田中氏はつねづね、本業以外の活動については「週末の草野球みたいなもの。みんなで集まって、文化祭みたいで楽しいからやっている」と語っています。