まったりして居心地のいい場所――サードプレイス
前回、戸惑いながらも多様な価値観を知ることが、パラレルキャリアの意義であり、自己成長につながると述べました。
そのような多様な価値観に出合える場所が、サードプレイスです。サードプレイスはまったりした居心地のいい場所であり、パラレルキャリアを実践する人たちの基地になるような場所でもあります。
サードプレイスって、何!?
では、そもそもサードプレイスとは何でしょうか?
サードプレイスは、もともとレイ・オルデンバーグがその重要性を唱えたもので、家庭でも職場でもない、とびきり居心地のよい第3の場所を意味します。それは、イギリスで言えばパブであり、フランスではカフェになります。
サードプレイスは、まったりした場所であり、そこにふらっと顔を出せば、なじみの人たちと気楽な会話を楽しむことができるのです。まさに日常生活の潤滑油であり、ストレスを解放できる場です。
日本では、赤ちょうちん、居酒屋、スナックなどが該当するかもしれません。ただ、仕事帰りに居酒屋にいき、そのメンバーは会社の人間だけという状態だとしたら、それは仕事の延長なのでサードプレイスとは言えないでしょう。
このようにオルデンバーグの唱えていたサードプレイスは、自宅の近所など、ある地域に存在する居心地のよい場所が念頭におかれていました。ところが、日本のパラレルキャリアを考えるうえで、サードプレイスの概念はもっと広く使われるようになってきているのです。