鍵を握るのは米国の景気
欧州や新興国のリスクも無視できない

 向こう数ヵ月から1年の短いスパンで見ると、世界経済の先行きの鍵を握るのは米国だ。米国経済は今のところ堅調な展開を示しており、世界の牽引役を果たしている。

 問題は、同国の景気回復基調がどこまで続くかだ。2009年夏場から回復が始まった米国景気は、既に6年以上も上昇傾向を辿ってきた。そのアップトレンドがいつまで持続できるか。

 足元ではドル高・原油安の影響などもあり、米国の企業業績にやや影が差し始めている。企業業績が伸び悩むようだと、雇用にもマイナスの効果が出ることが考えられる。雇用改善のペースが落ちると、個人消費の拡大も期待が難しくなるかもしれない。

 しかも、今年中にFRBは利上げを実施するという。金利引き上げは、景気にブレーキをかけることになりかねない。そうしたマイナスの要因がある中で、米国経済の回復の足取りがしっかりしたままでいられるか不安な点もある。

 中国や米国の他に、ギリシャ問題を抱えるユーロ圏経済や景気減速に苦しむ新興国などに関しても無視できないリスクは多い。

 ギリシャ問題は、一時の切迫感はないものの、これで問題のすべてが片付いたわけではない。同国では、チプラス首相の辞任によって総選挙が実施される予定だ。その選挙で政権基盤がしっかりすればよいのだが、政治情勢が揺らぐようだと、ギリシャ問題の再燃の懸念もある。

 また、財政統一などの根本的な課題を抱えるユーロ圏には、これからも様々な問題が出てくるだろう。問題解決に時間がかかったりすると、ユーロ圏の経済の落ち込みが世界経済の足を引っ張ることも考えられる。

 景気減速に爆発事件などが重なっている一部の新興国経済は、立ち直りには時間がかかる。それらの中には中国の影響が大きい国が多く、中国経済の立ち直りが必要条件になる。