筆者が知る範囲で言えば、競争で負け男の心を癒してくれるのは、まさしく女性である。それも不思議なことに、妻ではない。妻とは違って客観的な立場から、男性の心の傷に適度に塩をかけ、適度に優しくしてくれるからだ。遠藤のケースでは相手がスナックのママだった。

 家族には到底言えない惨めな姿をさせられるのが、会社員である。筆者の経験論で言えば、やはり身内にはどうしても明かせないことがある。会社では、それほどに屈辱を味あわさせられる。その意味で、遠藤がビジネスマンとしてもう一段上を目指すことができなかったのは、女性に逃げ込んでしまったため、とも言えるだろう。

 職場のしがらみや競争などで窒息しそうな人は、女性に悩みを相談するといいと、筆者は思う。同僚、部下、友人など、心を許して色々話せる女性がいるはずだ。悩みを打ち明け、心の重荷を取り外すことを勧めたい。

2.勝てば官軍、負ければ賊軍
やはり厳しい「競争の論理」

 やはり、出世競争は勝たねばならない。あなたが負けても、惨めな姿をさらけ出してはいけない。弱々しく振る舞うと、スナックれいみのママのような女性が現れるかもしれない。あなたの心強い味方になってくれるかもしれないが、あなたを安心させ、闘争心を削いでしまう場合もある。

 40~50代になると、遠藤と飯沼のような立場の差は大きい。負けると、実に惨めな扱いを受ける。それでも大手に勤めているなら、高い賃金が支給されるからいいのかもしれないが、本人にはそんな余裕はない。消えたいほどに恥ずかしく、口惜しい思いをしているはずだ。遠藤のような高学歴な社員ならば、なおさらだろう。

 メディアでは、社内の出世競争を語るとき、露骨に「勝てば官軍、負ければ賊軍」とは言わない。しかし、それはタテマエであり、甘い。まさしく、「勝てば官軍、負ければ賊軍」なのだ。遠藤のようになってはならない。