まずは自己の強みを把握しよう

 では、自信を高めるには、まずは何から始めればいいのでしょうか?

 博士が最初に挙げてくれたアドバイスは、自分の強みを理解することでした。

「簡単な第一歩は、個別にVIA‒ISの診断を受けることです。診断結果として、自分の上位の強みを知ることができます。また1位から24位までの順位別に強みを知ることもできます」

「大事なことは、これは自分の弱みや自信の度合い、精神の問題を知るための診断ではないことです。自分の上位の強みを発見し、その他の強みをわかりやすい表現で理解するための道具なのです」

「だから、自分の上位の強みを深く理解することが大事です。仕事での達成にその強みをどう活用したのか? 仕事で意欲を高めるために、その強みをどう活かしたのか? 職場や家庭で人との絆を深めるために、その強みをどう活用できたのか?」

 無料診断ツールはこちらのサイト(http://www.positivepsych.jp/via.html)の説明を参考にして利用してください。質問も結果レポートも日本語に訳されています。

 ただし、強みは把握するだけでは十分ではありません。仕事や趣味などを通してフル活用することが大切なのです。

 まずは、自分の強みを発見する。次にそれをどう活かすかを考える。これらを習慣化することで、自己肯定感が高まり、「根拠なき自信」が身についてきます。

 次回は、根拠なき自信家に共通する3つの心理的資源のうち、3つ目である「失敗許容力」について説明します。

久世浩司ポジティブ サイコロジースクール代表
1972年岐阜県大垣市生まれ。慶應義塾大学卒業後、P&Gにて、高級化粧品ブランドのマーケティング責任者としてブランド経営、商品・広告開発、次世代リーダー育成に携わる。在職中にレジリエンスについて学び、応用ポジティブ心理学準修士課程修了。P&Gを退職後、ポジティブ心理学の実務家を育成する社会人向けスクールを設立。レジリエンスを活用した企業人材の育成に従事。認定レジリエンスマスタートレーナー。企業向けの「レジリエンス・トレーニング」は、NHK「クローズアップ現代」や関西テレビ「スーパーニュース」でも取り上げられた。主な著書に、『世界のエリートがIQ・学歴よりも重視!「レジリエンス」の鍛え方』(実業之日本社)、『なぜ、一流の人はハードワークでも心が疲れないのか?』(SB Creative)、『リーダーのための「レジリエンス」入門』(PHP研究所)等がある。

※次回は、9月28日(月)に掲載します。