一方、民間医療保険は1入院「60日」とか「120日」といった日数制限があり、長期間の入院のすべてをカバーするわけではない。入院日額5000円・1入院120日型の医療保険から受け取れるお金は、1入院最大で60万円。手術をすると手術給付金が5万~20万円受け取れるが、それでも支払う保険料には届かないだろう。

 年をとると病気がちになるが、多くの場合、通院で薬をもらい治療を受ける期間が長くなる。忘れてはいけないのは、医療保険は原則、入院か手術をしないと給付金がもらえないということだ(通院給付金があったとしても、金額はごくわずか)。通院での治療費は、年金や老後資金から捻出することになる。

 支払う予定の保険料をかけ算し、健康保険制度や商品を知る力を持っていると、医療保険に頼る部分が少なくなり、年金収入や預貯金の目減りを数百万円単位で防ぐことができるのだ。

「自分のお金を予測する力」を身につけることはそれほど難しいことではない。お金を使うときにはその前に「割り算」と「かけ算」をすることを忘れなければいいだけである。ぜひ、実践してみてほしい。