米国のミレニアム世代をターゲットにして開発された「マウンテンデュー・キックスタート」(左)と「ミクサース」 Photo by Izuru Kato

 米国・ニューヨークに現在出張中なのだが、「ミレニアム(ミレニアル)世代」という言葉がたびたび耳に入ってくる。

 ベビーブーマー世代(1946~64年生まれ)、ジェネレーションX(65~79年生まれ)に続くミレニアム世代は、80~2000年生まれの人々を指す。その人口は米国ではベビーブーマー世代を上回る。コンサルティング大手、アクセンチュアのレポートによると、ミレニアム世代の消費支出は年6000億ドルであり、それが20年には1.4兆ドルへ達するという。

 ミレニアム世代は、物心ついたころにはITデバイスやインターネットが普及していた「デジタルネイティブ」である。前出のレポートや、米経済誌「フォーブス」、米紙「ニューヨーク・タイムズ」、米金融大手ゴールドマン・サックス等々の分析を参考に、彼らの嗜好や行動の特徴をまとめてみた。

(1)住宅バブル崩壊および金融危機に強い影響を受けた世代であるため、強欲な企業を嫌い、派手な消費は好まない。住宅への投資は有利という感覚が弱く、学生ローンの返済が重荷の人も多いため、無理して住宅を購入することに関心がない。親との同居期間は長く、結婚時期は遅くなりがち。

(2)従来型の広告には影響されず、ネットのバナー広告も見ない。商品を購入する際は、個人のブログやソーシャルネットワーク、ユーチューブでの評価を重視する。

(3)クルマの購入意欲は他の世代よりも弱く、必要に迫られて買う場合は、安いクルマで十分という人が多い。

 このようにミレニアム世代は金融危機の打撃を被ってきたため、彼らの消費スタンスは意外に質素である。しかし、消費のパイは大きいため、多くの企業がミレニアム世代向け戦略を練っている。