オリンピックイヤーの今年は、リオデジャネイロで大会が行われる8月(5日~21日)まで、主に五輪絡みの話題に注目が集まることになる。

 まず、気になるのは団体球技の五輪出場権獲得を賭けた戦いだ。すでにバスケットボール女子(12年ぶり)、ホッケー女子(4大会連続)、水球男子(32年ぶり)、7人制ラグビー男女(今大会から採用)は出場を決めているが、これから最終予選が行われる競技も多い。

サッカーU-23の五輪出場は
実は険しい道のり

 来週からはサッカー男子の五輪アジア予選を兼ねたU-23アジア選手権がカタールのドーハで始まる(12日~30日)。出場16ヵ国を4ヵ国ずつ4つのグループに分けて総当たり戦を行い、各グループの2位までが決勝トーナメントに進出。3位までが五輪出場権を得られる。日本代表は5大会連続出場しており、前回のロンドン五輪では、メダルまであと一歩の4位に入る健闘を見せた。グループリーグで強豪スペインを下して決勝トーナメントに勝ち上がり、準々決勝でエジプトを破った快進撃は爽快だった。こうした実績から今回のアジア予選も勝って当然と思われるかもしれないが、実はかなり険しい道のりなのだ。

 現在のU-23日本代表は2013年と2015年のU-20W杯を目指した世代が中心だが、2大会ともアジア予選を勝ち抜くことはできなかった。これは単に現代表世代が弱いというわけではなく、アジア各国が強化に努めレベルアップしたからだろう。加えて今のチーム状態も良いとはいえない。12月に今大会にも出場するイエメンとウズベキスタンと強化試合を行ったが、ともに0-0。決定力に欠ける点が大きな課題として残っている。

 グループリーグで日本が戦うのは北朝鮮(13日)、タイ(16日)、サウジアラビア(19日)。いずれもレベルは高く、勝利が計算できる相手ではない。また、決勝トーナメントに勝ち上がったとしても、現在最強といわれるイラクをはじめ韓国、イラン、中国、カタール、オーストラリアと難敵ばかり。このなかで3位以上に入るのは相当大変なのだ。ただ、このチームのメンバーの多くは次代のフル代表としてW杯を目指すわけで、アジアの国に負けていてはいけない。前回の五輪代表のように、この年代のチームは良い流れをつかむと快進撃を見せることがある。その意味ではグループリーグ初戦の北朝鮮戦は大事だ。快勝して勢いに乗り、3位以内ではなく優勝して五輪出場権を獲得してほしいものだ。