PLは、プロジェクトで育てるしかない
「ケンブリッジみたいにプロジェクトをリードできる社員を育てたいので、方法論を教えてほしい」と、以前からよくお客さんに言われてきました。
ところが、それを受けてトレーニングをやっても、ほとんど効果がありません。1日や2日、講師の話を聞いて知識を学び、演習をしたところで、すぐに実践できるものではなかったのです。
効果がないものを提供するわけにはいきませんから、方法論を教えるのはやめてしまいました。
そう、PLはOJT(実地教育)でしか育てられないのです。
しかし、お客さんの経営幹部から「プロジェクトを通じてウチの社員が、びっくりするようなリーダーになった。この調子で、もっと育ててくれよ」という依頼は、増える一方です。それほどまでに、PL不足は深刻ということでしょうか。
そこで、トレーニングルームで方法論を教えるのではなく、自社の若手をPLに育てるのとまったく同じ、OJT+トレーニングの組み合わせでの育成をやり始めました。
やり続けるうちにようやく見えてきたコツを紹介したいと思います。名づけて「育つプロジェクト」です。
最初にお手本を見せる
育成でいちばん大事なのは、本人が「学びたい」と思うこと。しかし、上司からいくらスキル習得の重要性を説いても、そんなのは無力なものです。
いちばん効くのは、自分より若いか、同年代のコンサルタントが、バリバリとプロジェクトをリードする姿を目の当たりにすることです。
わたしどものコンサルタントは、しょっちゅうお客さんから年齢を聞かれます。そして、たいていは驚かれます。
「ケンブリッジは30そこそこで、物怖じせずに業務のあるべき姿を議論している。俺たちだって」が合言葉になるケースも。