グローバルエリートをめざすならネイティブの発音を身につけなければと、練習に余念のないビジネスパーソンも多い。しかし英語を使う人の8割は非ネイティブで、彼らは自分のなまりなどまったく気にしないという。そんな環境で仕事をするには、クセのある英語を聞き取る力をつけるほうが実戦的だ。
英語を使う人のうち8割が非ネイティブ
世界で英語を日常的に使っている人の数は、17.5億人近く、そのうちネイティブの数は3.9億人くらいと言われています(Harvard Business Reviewによる)。実に80%近くの英語を使っている人たちが、私たち日本人を含む非ネイティブとなります。私は外資系企業に12年間勤め、18ヵ国以上の人たちと働いていましたが、やはり80~90%の人たちが非ネイティブでした。最近、私の塾に来られる受講生の悩みも、「ネイティブの英語はわかるけど、アジア人とヨーロッパ人の英語がわかりません」という人が増えてきています。
日本人が日本語なまりの英語で話すように、非ネイティブのほとんどの人たちは、それぞれの言語なまりの英語を話します。日本のビジネスパーソンの多くは、なるべくネイティブの発音に近づけようと、練習に余念がありませんが、世界のエリートたちはまったく気にしません。そして彼らの英語も、なまりが強いままのことがほとんどなのです。
ネイティブ英語もさまざま
また、日本ではネイティブ英語=アメリカ英語と考えている人がほとんどですが、イギリス、アイルランド、オーストラリア、ニュージーランド、アフリカの国々でも英語を公用語として使っている国は多くあります。
スイス系の会社で働いていた時、IT部長がイギリスのスコットランド出身の人でした。スコットランドなまりは、日本語でたとえると東北弁のようなものでしょうか。非ネイティブからすると、かなりなじみがない発音も多いので、社内の人は「2年経って、やっと部長の英語がわかるようになった」と話していました。