日本では、新品時だけ価格が異常に高く、中古になると値段が大きく下がる。

だが、それを使うときの価値は新品とさほど変わらない。この中古価格と使用価値との歪みに着目すれば、誰でもお金持ちになれるというのが『ベンツは20万円で買え!』の内容だ。「新品神話」を抱く日本人に多くのヒントを与えるエッセイの一部を紹介しよう。

オススメはトヨタの高級車!
残存価値のあるマシンを激安で買おう

 発売期間が長いクルマは頑丈だ。例えばトヨタ・カローラ、ホンダ・フィット、トヨタ・ハイエースなど。エンジンは同じで、あとは細かいところを変更しているだけなので、基本がしっかりしている。

 また、故障したときのことを考えると、売れているクルマを選ぶほうがいい。10年くらいたつと、解体屋で同じ車種の部品が驚くほどの低価格で手に入る。

 ワタクシの家の近所に広大な敷地の解体屋がある。ここで、メルセデス・ベンツSLKの割れたエンジンオイルのキャップを購入。メルセデス・ベンツE430のエンジンについていたキャップと同じサイズだった。

 また、クラウンマジェスタの解体車から取り外した本革のヘッドレストを購入して、スズキ・アルトに取りつけた。奇跡的に支柱が同じ幅で、スワップに成功。本革のヘッドレストで運転すると、頭がよくなったような錯覚に陥る。

 プジョーやシトロエンといったマニアックなクルマは市場に出回る数が少ないので、修理をするときにパーツが手に入らず、困ることがある。価格も高い。どうしてもこの車種でなければいけないという人を除けば、こうした流通量の少ない中古車を購入するのは避けたほうがいい。

 同じ外車なら、メルセデスやBMW、アウディのように、社外パーツや中古パーツが数多く流通している車種のほうが早く安く修理できる。