藤沢】7つがトータルで1つの理念になっていますよね。

山田】そうなんですよ。1つでも欠けたら成立しない。

藤沢】この中だと、「驚喜(オドロキ)の輪」というのが、とてもユニークな表現だと思いました。

経営者は「企業の生物学者」である「僕は『やわらかい会社』にしたいんですよ」(山田氏)

山田】前のコーポレートスローガンが「ハッピーサプライズ」で、「よろこビックリ誓約会社」という表現があったので(笑)。

「カタい会社」っていっぱいあるじゃない? でも、僕は「やわらかい会社」にしたいんですよ。ほら、生物もやわらかいでしょう? 鉱物とかじゃなく、生き物のような会社です。

「社員同士で議論させる」
というビジョン浸透の手法

藤沢】ところで、この「7つの宣誓」のようなビジョンは、社員のみなさんにどうやって伝えているのですか?

山田】こういうのをみんなで唱和する会社もあるけれど、うちはしていません。みんなの前で話をするときに、「僕の考えはこういうことだから」と触れたりします。「7つの宣誓の何番目にあるけど…」という話し方をすることもありますね。強制的に唱和させたりせずに、もうちょっと自然に浸透してほしいと思っているんですよね。

藤沢】無理矢理な感じは嫌なのですね。

山田】そう、無理矢理はきらい。だから、「一字一句間違えないで言える」という社員はいないと思うよ。僕自身、正確な文言は覚えてないから(笑)。

でも、意味は理解してくれているし、想いは受け取ってくれていると思います。「山田が考えていること、言っていることは変わっていない」というのは、きっと社員も感じてくれていると思う。

藤沢】素晴らしいです。語り続けること、ぶれないことが非常に重要ですよね。