山田】新しいCI(コーポレート・アイデンティティ)として「NEVER SAY NEVER」という言葉を掲げたときにも、最初は社員も「はあ?」って言っていたようですよ。でも、創業記念日にそれぞれ7~8人のグループに分かれて、丸1日かけてディスカッションする時間をつくったことがあったんです。

そうしたら、みんな非常によく考えてくれた。「この部分は単なる『ど根性』を言っているのではなく、一人一人が自立して自分なりの目標を持って働こうという意味だ」とかね。工場の社員たちもよくわかってくれた。「あぁ、言いたかったことを本当の意味でみんなが理解してくれたんだな」と思って、あれはうれしかったですね。

藤沢】私も『最高のリーダーは何もしない』でも書きましたが、「ビジョンについてメンバー同士に議論してもらう」というのは、ビジョンを浸透させるうえで効果的な取り組みですね。

経営者は「企業の生物学者」である(次回、いよいよ最終回!)