本当のパートナーを
見つけやすい人
キッズライン代表。桜蔭高校・慶應大学卒業。リクルート、楽天を経て26歳の時に自宅でトレンダーズを設立し、2012年、当時女性最年少で東証マザーズ上場。2014年に再びカラーズを創業し、「日本にベビーシッターの文化」を広め、女性が輝く社会を実現するべく、1時間1000円~即日手配も可能な安全・安心のオンラインベビーシッターサービス「キッズライン」を運営中。著書に、『自分の会社をつくるということ』(ダイヤモンド社)などがある。 日々の発信、facebook、Twitter
経沢 『幸せになる勇気』では、「愛は2人で成し遂げる課題」だとされています。これは私が人生でまだ辿り着いていない領域です。私は2度の離婚を経験していますが、自分では割と、人を深く愛する力があると思っていました。でも、いろいろな理由で結婚生活が長続きせず、理由を解明中です。年齢も年齢なのでもう選ばれないのではないか、裏切られるのではないかという恐怖心もあるのかも。あと、相手のせいにするつもりはないですが、結婚に限らず私は会社でも「私たち」という言葉を使うのが好きですし、何があっても一緒に乗り越えていこうという思いが強いのですが、パートナーがそういう思いを抱いてくれないときは悲しいです。こう思ってしまうことも、他人依存なのでしょうか?
岸見 まず、「これまで起きたことが、今後も起きるとは限らない」ということを覚えておいてください。いろいろなことがあって臆病になってしまうと、対人関係に踏み出す「勇気」が足りなくなってしまうことがある。そういう時に、過去の経験を持ち出して、「また同じことが起きるのではないか」と思ってしまう。そうすると、本当に同じことが起きてしまうのです。
経沢 引き寄せてしまうということですね。
岸見 そういうことがかつてあったとしても、今後も起きるとは限らないし、であればこれからのことを考えるしかない。もしかしたらお金がある人のほうが、本当のパートナーを見つけやすいかもしれません。なぜなら「お金」という自分の付加価値にしか眼を向けない人を、すぐに見分けることができますから。
経沢 なるほど。私自身も自分の付加価値にこだわり過ぎていたのかもしれません。「自分が何を相手に提供できるか」ばかりに気を取られていました。
岸見 自分に自信がないと自分の付加価値にこだわるようになり、結果的にそれが目当ての人が寄ってくるようになってしまう。人から愛されることは考えなくていいのです。自分がいかに愛するかのみ考えていれば、やがて素敵なパートナーが現れるはずです。経沢さんは「自分の価値を他者から認めてもらわなければいけない」と思っていらっしゃるのではありませんか?
経沢 そうです!
岸見 でも、それは他人への依存です。2人が互いに寄りかかっている状態だと、1人がいなくなればパタリと倒れてしまう。でも、それぞれが自立していればそうはなりません。自立していてなお、「1人でいるより2人でいたほうがもっと幸せだな」と思える人に巡り会えば、何があっても一緒に乗り越えていけると思いますよ。
経沢 なるほどですね!
岸見 もしかしたら、あえて難しい男性を選んでいるのかもしれません。つまり、自分にとって言い訳ができる「安全」を選んでいるのです。「相手がこういう人だから、関係がうまくいかないんだ」と信じたいところがあるのかもしれない。
経沢 ガーン……!(笑)