イングランド銀行(BOE)幹部のテレビでの発言が、英国の預金者を激高させてしまい、“炎上”状態に陥ってしまった。

 チャールズ・ビーンBOE副総裁は、9月27日にチャンネル・フォーのニュース番組に出演し、現在同行が行っている超低金利政策は、家計に対して、貯蓄ではなく消費を求める政策であると説明した。英国の典型的な預金金利は金融危機前の2.8%から現在は0.23%へと低下している。

 ビーン副総裁は預金者に対して「全面的に同情している」と述べたものの、次のように語ったと報じられている。「預金金利が低いときに、利息収入だけで生活できるだろうかと予想するべきではない。元金を少し食いつぶすことが合理的といえる」「高齢者の家庭は、住宅価格の上昇でキャピタルゲインの恩恵を受けてきた」。

 この発言を「デイリーテレグラフ」紙は、「BOE幹部、預金者は愚痴るのをやめて、カネを使えと警告」とセンセーショナルに報じた。他の主要紙も批判的に報じている。ある著名な経済コメンテーターは「ビーンを擁護する」という文章を新聞に寄稿していた。いかに市民の批判が強いかを表している。「ガーディアン」紙はウェブサイトで「チャーリー・ビーンは正しいか?」というアンケートを行った。「ノー」は86%にも上った。