キャンセル率5割! データが語る外食のコロナ禍はこんなに壮絶だPhoto:Buddhika Weerasinghe/gettyimages

新型コロナウイルスで最も深刻な打撃を受けているのが外食産業だ。緊急事態が緩和された現在でも、休業を継続したり、営業時間を大幅短縮したままだったりするレストランや居酒屋は多い。業界が受けたダメージの甚大さは、データで見ると一目瞭然で分かった。平常復帰はまだまだ遠そうな状況の中、飲食店にはどんな生き残り策があるのだろうか。(ダイヤモンド編集部 高口康太)

外食産業のコロナ禍は
緊急事態より早かった

 新型コロナウイルス肺炎による経済被害が広がっている。業種によってダメージの濃淡があるが、最も深刻な被害を受けた業種の一つは外食産業だろう。飲食店予約顧客管理システムを提供する新興企業、Tablecheck(テーブルチェック)の予約データから、そのダメージの大きさが見て取れる。

 データはテーブルチェックの管理システム「テーブルソリューション」を導入している国内の飲食店の予約状況を集計したもの。対象店舗は2020年4月時点で4430店に上る。

 1店舗あたりの平均予約件数は今年4月には2.8件にまで落ち込んだ。前年同期は14.7件から86%ものマイナスとなった。ただし、新型コロナの影響は4月から始まったわけではない。2月1日から5月6日までの店舗あたり平均予約件数を見ると、3月上旬から影響は出ている。

 7都府県での緊急事態宣言が発令された4月7日から状況はさらに深刻化するとはいえ、自粛ムードそのものは3月頭から高まっていた。花見客の多さなど、日本人のゆるさを取りあげる報道が多かったが、データから見る限り一貫して警戒感は高まり続けている。