22年卒就活生が年末までに最低40社の企業説明会動画を見るべき理由つまらないのが当たり前の会社説明会の動画を、興味を持って見るためのコツとは? Photo:PIXTA

22年卒の就活が動き始める中、何から始めたらいいのか分からず焦りを感じる就活生も少なくないだろう。人気企業の採用から育成までを支援するダイヤモンド・ヒューマンリソースの採用コンサルタント、福重敦士氏が、そんな就活生がまず12月末までにやっておくべきことを整理する。焦らず、一歩一歩前に進もう。

 今回は就活生向けに、12月末までにやっておくべきことをお話しします。連載第3回で、企業を知るステージが3段階(ステージ1:企業のもうけの仕組みを知る、ステージ2:職種を知る、ステージ3:具体的な日々の仕事の内容を知る)あることと、その簡単な概要をお話ししました。12月末までにやっておくべきなのが、ステージ1に当たります。

会社説明会のオンライン化で
情報格差がなくなった

 まず、来年3月までにやるべきことを説明しましょう。遅くとも12月末までにはステージ1を終えます。そして1〜2月でOB・OG訪問や採用担当者との面談などを通して、ステージ2、3へと進みます。そこで集めた材料を基に、エントリーシート(ES)を書き、3月の第1週目あたりをめどに提出という流れになります(※ESの第一回目のピークは3月第1週目になると予測しています)。

 就活生にはインプットの時期とアウトプットの時期がありますが、これから12月末まではステージ1のインプットに集中すると良いでしょう。

 現在、大手企業のほとんどが企業説明会などのWEBセミナーをインターネット上で公開しており、動画がアーカイブされています。就活サイトやYouTube上には、100社以上の説明会の動画をまとめたチャンネルなども多数あります。学生がやるべきことはこれらの動画をできる限りたくさん見て、その企業が「誰に」「どんなモノやサービスを」売っているのかというもうけの仕組みを知ることです。

 コロナ禍になって決定的に変わったことは、説明会や面接などのオンライン化です。特に、企業説明会がオンラインになったことで、全ての就活生が基本的に同じスタートラインに立てるようになりました。

 これまで企業説明会は企業の本社所在地などで開かれたり、大学のキャンパスや都市部のイベントスペースで、合同説明会として開かれたりしていました。しかし、いまや全国どこにいても、知りたい企業の説明会を簡単に視聴できます。都心や都市部の有名大学の学生が企業説明会にアクセスしやすく有利だった構図が崩れたのです。

 地域差は情報格差につながらず、どれだけ情報を得られるかは活動量で決まるのです。もちろん都内や都心の学生であっても、関心を持った企業の説明会が同じ日や時間帯に重なっていればどちらかを諦めることもありました。でも今年は自分のペースで、特に予約する手間もなく、知りたい企業の説明会を全て見られるのです。

 逆に言えば、ステージ1の情報が入手しやすくなり、この段階では他の学生と差がつかなくなりました。大前提として、ステージ1を確実にこなしてもうけの仕組みを知った上で、その後どれだけ深く企業を知っていくかが決め手になります。ここで、今後ESの志望動機を書くのに必要な、さらに深い情報を企業から聞き出すための素地をつくっておくというのが12月末までにやるべきことなのです。