説明会はつまらないのが当たり前
第三者に教えるつもりで聞く

 説明会の動画アーカイブは学生にとって大変な恩恵ですが、一つだけ、問題があります。YouTuberや芸人の上手な話し方に慣れ親しんでいる今どきの就活生にとっては、どんなに優れた企業の動画であっても、ほとんどの動画はつまらなく退屈で、たとえ15分程度の説明であったとしても最後まで視聴し続けるのが耐え難いということです。ただ、動画、WEB説明会がつまらないのは当たり前です。なぜなら、テレビドラマばりの演出がついているわけでもなく、出演者もスター俳優ではないからです。

 しかし、ここで判断を誤ってはいけません。もちろん例外的に話が上手な担当者もいますが、動画がさえない、あるいは登場する人の話が面白くないからといって、その企業の事業内容がつまらないということでは決してないということです。

 本当は魅力的な企業なのに、説明会の印象だけで選択肢から外してしまうと取り返しのつかないことになります。ブラック企業の採用担当者が非常に魅力的で天才的なスピーカーということも往々にしてあります。話や動画内容の面白さを企業選択の判断規準にするのは大変危険です。

 ではお世辞にも面白いと言えない企業の説明会をどのように視聴すればいいのか。ポイントは、説明会の視聴後、その企業について知らない第三者にそれを説明し、教えてあげるつもりで聞くということです。

「理解した」ということは、視聴した内容を自分なりにかみ砕いて言葉にして他人に説明できる、インプットしたものをアウトプットできるということです。おそらく最初は、動画の視聴後、誰かに内容を話そうとしたり、ノートにまとめようとしたりしても、何から話したり書いたらいいのか分からないと思います。

 しかし、視聴し終わったらその内容を誰かに教えてあげようという意識を持って視聴していると、どこをメモすればいいのかなど、聞き方のポイントが分かってきて、つまらない動画でも、そこから情報を収集するために集中して視聴できるようになります。

 視聴後、内容を再現してノートにまとめたり、人に話したりできるなら、あなたはその内容を理解できたということです。もちろん説明会の内容を人に説明できるようになったとしても、それでも分からないこと、そこから先に、もっと知りたいことがあるはずです。これが、ステージ2以降で掘り下げるべきことですが、それについては次回お話しします。