おうち時間を有意義にすごすために、ヨガをやってみたいという人も多いはず。最近は男性でも心身の健康とリラックスのためにヨガを始める方が増えています。
でも、「初心者には難しいのでは…」「体の硬い私にはそもそも無理かも……」なんて、あきらめてしまっていませんか。
そんなあなたに、チャンネル登録者数10万人以上というYouTube「美筋ヨガチャンネル」で大人気のヨガ講師・廣田なおさんが、初心者でも、体が少々硬くてもできる、簡単なヨガポーズを教えてくれます。
今回は、廣田なおさんの初めての著書『整えるヨガ』から、一部抜粋、再構成してご紹介いたします。

ヨガはなぜ呼吸を大切にしているのか

ヨガのポーズには、ストレッチでおこなう動きもけっこうあります。

でも、ヨガがストレッチと違うのは、呼吸を大切にしていることです。

この呼吸こそ、実は私たちの心と体をコントロールしていると言っても過言ではありません。

オガトレ廣田なお
ヨガ講師
銀行を退職後、大手ヨガスタジオにて年間数百本のレッスンを経験し、のべ2万人を指導。2017年に独立し、ボディメイクヨガスタジオHOMEをオープン。スタジオでのヨガレッスンの他、2019年からYouTubeで「美筋ヨガチャンネル」を開始すると、たちまち人気となる。テレビ、ラジオ、雑誌などメディアや全国各地の音楽イベントにも多数出演するなど幅広く活動している。2020年からはオンラインサロンを立ち上げて、スタジオでのレッスンを完全オンラインレッスンに切り替え、1200名を越える参加者にヨガ指導をしている。
オンラインサロン www.hirotanao.com/onlinesalon
インスタグラム instagram.com/onaoonao
撮影:板山拓生

たとえば、忙しかったり、緊張したり、悩んでいたりすると、体が縮こまって呼吸が浅くなります。それにより酸素が足りなくなると、疲れやすくなったり、冷静な判断ができなくなったり、怒りっぽくなったりします。そんなとき人はよく、「深呼吸して」と言いますが、これは呼吸をすることで新鮮な酸素を取り入れ、落ちつきを取り戻そうとするからです。

反対に、好きなことをしていたり、楽しくて笑っていたりすると、呼吸はゆったり深く、体はリラックスしています。血液のめぐりもよく、疲れや悩みなどのストレスを手放すことができ、寝つきもよくなります。体温が上がって内臓もしっかり働き、消化も促されます。

このように呼吸は、心と体の健康とは切っても切れないものなのです。

ヨガのポーズで、体を伸ばしたり、曲げたり、ねじったりすることは、呼吸を深めることにつながっています。特に、胸を大きく広げたり、背骨や肩甲骨を動かしたりすることで、呼吸をつかさどる横隔膜(おうかくまく)やその周辺の筋肉がしっかり働くようになります。

ポーズをとりながら呼吸することで、酸素が体に取り入れられ、血流がよくなって温まるので、体がリラックスし、動かしやすくなります。呼吸を繰り返すことで、体の機能をコントロールする自律神経のうち、リラックスをつかさどる副交感神経が優位になります。副交感神経は免疫機能の活動も担っているので、病気になりにくい体作りを応援してくれるというわけです。

ポーズをとりながら、ぜひ呼吸を意識してみてください。

深くゆったりした呼吸に慣れてくると、いつでもどんな場所でも、すぐにリラックスのスイッチを入れられるようになります。

ヨガの呼吸は、鼻から吸って鼻から吐くのが基本です。

難しいポーズに挑戦していると、呼吸が浅くなったり、止まってしまったりすることがありますが、意識してゆったりした呼吸に戻しましょう。

呼吸には、お腹をふくらませておこなう腹式呼吸と、ろっ骨を広げるようにおこなう胸式呼吸がありますが、ポーズによってしやすい呼吸法でOKです。

腹式呼吸は副交感神経を活発化させて心身をリラックスさせる効果が高く、胸式呼吸は交感神経を活性化させるので集中力を高める特徴があります。

案楽座ヨガで「安楽座(あんらくざ)」(あぐら)と呼ばれる座り方でリラックスして呼吸してみましょう

廣田さんの著書『整えるヨガ』では、さらに詳しいポーズのポイント等の解説や、基本のポーズが難しくてできない…という人のためのもっと簡単なポーズ、あるいはもう少し負荷をかけたポーズにも挑戦したい、という人のための難易度を上げたポーズも紹介しています。ポーズのやり方が動画でも確認できるQRコードもついていて便利です。

もっとヨガにトライしてみたい、という方はぜひご覧になってみてくださいね!

廣田なおさんのYouTube「美筋ヨガチャンネル」はこちら

監修:西崎知之先生
1954年生まれ。医師、医学博士。
神戸大学医学部卒業。神戸大、米国カリフォルニア大学アーバイン校と一貫して生体内情報伝達機構を専門に研究している。現在、上海中医薬大学附属日本校、ベトナム国家大学ハノイ校の客員教授。著書に『脳の非凡なる現象』(三五館)、『ボケるボケないは「この習慣」で決まる』(廣済堂出版)などがある。