どんな時代でも生き残れる不動産投資家になるための極意とは何か? 不動産投資で利益をあげ続けるためには、基本となる知識やノウハウを学ぶ必要がある。ハーバード大学デザイン大学院で最先端の知識を学び、それに自身の体験から得たノウハウをミックスして体系化したハーバード式不動産投資術』(上田真路著、ダイヤモンド社)が発売。本連載では、世界のどこでも通用する、遍的で再現性のあるナレッジである不動産投資術について、同書の中から抜粋してそのエッセンスをわかりやすくお届けする。今回からは、特別編として4回にわたり対談記事を掲載する。対談のゲストは、不動産賃貸業、不動産経営に関するコンサルティングやセミナー、不動産仲介事業を行う会社を経営し、自ら不動産投資家としても活躍する広瀬智也氏だ。広瀬氏の不動産投資は、ビル30棟を持つオーナーに弟子入りしたことから始まったという。不動産投資を始めたいと思っている人、すでに始めている人、さらに上を目指したい人必読。好評連載のバックナンバーこちらからどうぞ。

生き残れる投資家は、<br />自分なりの得意分野を武器にして<br />「Creating α」を生み出すPhoto: Adobe Stock

『金持ち父さん貧乏父さん』を読んで、投資に目覚める

上田真路(以下、上田) 私は大学院生の時に不動産投資に興味を持って、関連書籍を読み始めたのですが、真っ先に読んだのがロバート・キヨサキの『金持ち父さん貧乏父さん』でした。当時は、投資に興味がある人は、ほぼ全員が読んでいましたよね。

広瀬智也(以下、広瀬) まさに、バイブル的な本という感じでしたね。

上田 それで『金持ち父さん貧乏父さん』を読んだ後に、ロバート・キヨサキの師であるドルフ・デルースの本が出たっていうので、飛びついて読んだのが広瀬さんが翻訳した『世界の不動産王が明かす お金持ちになれる「超」不動産投資のすすめ』です。

広瀬 ありがとうございます。

上田 これを読んで、「不動産投資ってクリエイティブなものだったんだ」ということに気づかされて驚きました。日本の例はなかったんですけど、逆にそこがすごくよかったなと。ドルフ・デルースがいきなり町に連れていかれて、10ドルしかないんだけど「そこで不動産を買え」という宿題を、みんなでやってみようっていうムチャなことやってたり、ということが書かれていて、なるほど、これだったら学生の僕でも、何か不動産投資のメカニズムを考えることができるんじゃないかなって、すごく勇気をもらえた本だったんです。今でもときどき読み返しています。

広瀬 お役に立てて良かったです(笑)。宿題と言えば、上田さんの初の著書『ハーバード式不動産投資術』にも、不動産投資家は宿題をコツコツやること(Do your Homework!)が大事だと書いてありますね。

上田 そうなんです。それは、フルブライト留学したハーバード大学デザイン大学院(GSD)の教授が授業で教えてくれたことです。ところで、広瀬さんが不動産投資に興味を持たれたきっかけは、どういうことだったんですか?

広瀬 私が不動産投資に興味を持ったきっかけも、やはりロバート・キヨサキの本でした。当時、2000年から2003年にかけて、私は不動産のベンチャー企業で店舗や事務所を仲介する仕事をしていました。部下が50人くらいいたのですが、毎月ノルマがあって、それに追われる毎日で、けっこう疲弊していたんです。その時に、たまたま立ち寄った書店で手に取ったのが『金持ち父さん貧乏父さん』です。それを読んで「自分も不動産のオーナーになりたい!」と思いました。

上田 それからどうされたのですか?

広瀬 仕事で店舗とか事務所の仲介をしていたので、ビルのオーナーさんの知り合いが何人かいらっしゃって。それで、飲食店をやりながらビル30棟を持ってる方の話を聞きながら、「あなたみたいになりたいんですけど、どうしたらなれますか?」と質問をしたのが、きっかけです。それでその方に弟子入りをして、不動産ベンチャー企業に勤務しながら、その片腕として不動産を買ったり売ったり、管理したりというのをお手伝いして、ある時、僕自身も物件を買えたというのが不動産投資の始まりです。