学生時代に宅建の資格を取得する
株式会社バンブーインターナショナル代表取締役社長
1972年北海道生まれ。1995年東京大学法学部卒業後、日商岩井(現、双日)の法務部、上海法人にて勤務。2000年に株式会社エリアクエストにて、取締役として事業用不動産の賃貸仲介業務を行う。2003年に株式会社バンブーインターナショナルを創業。2004年に株式会社不動産投資アドバイザーを創業(同社は後輩に譲り、代表者を退任)。現在は、株式会社バンブーインターナショナルにて、年間収入を1億円超稼ぎ出す不動産賃貸業、不動産経営に関するコンサルティングやセミナー、不動産の仲介事業を行う。2014年に一般社団法人相続オールインワンの理事に就任。著書に『キャッシュフローを生む不動産投資』(かんき出版)、『賢い大家さんだけが知っている! 不動産経営の常識・裏ワザ・隠しワザ』(ソフトバンククリエイティブ)、訳書に『世界の不動産王が明かす お金持ちになれる「超」不動産投資のすすめ』(東洋経済新報社)などがある。
上田 その不動産ベンチャーに入られる前は、どこか別の企業にお勤めだったのですか?
広瀬 海外志向が強かったので、新卒で総合商社に入りました。商社には5年いたのですが、うち2年間は中国に行かせてもらっていました。その間は、不動産とは関係ない法務の仕事です。ただ、たまたま私が学生の頃に、実家が相続でもらった土地にアパート建てて、アパート経営したいみたいなことがあって、宅建(宅地建物取引主任者)を取得していたんです。親から宅建ぐらい勉強しておいてくれと言われて。それで、商社を辞めて転職する時に、不動産業界だったら宅建も持ってるし、法務の知識もあるし、2000年当時は、金融機関の不良債権処理問題の真っただ中で、不動産業界に外資が参入してきた時期でもあったので、ちょっとチャンスかなと思って不動産業界を選んだのです。
上田 それでドルフ・デルースの本を翻訳したのは、どういう経緯ですか?
広瀬 この本を翻訳したのは、私自身30代前半くらいでしたけど、不動産投資を始めて2棟3棟と増やしていく中で、その経験をシェアしたいなと思ったことです。それ以前に、別の出版社で本を出版させてもらっていたのですが、それをきっかけに、ドルフ・デルースのこの本を知り、原書で読んで本質を突いているなと思ってこの本を翻訳したいと。それで、いろいろ知人経由で版元さんを紹介していただいて、版権をとってもらってという流れです。
上田 この原書に触れるまでに、2棟3棟と不動産投資をやっていらしたのですね。普通だと、他の日本人の不動産投資家が書いた本を読もうとすると思うんですけど、どうして英語の原書を読もうと思ったのですか?
広瀬 当時は、まだ日本人の不動産投資家の本がそんなになくて、何人か先輩が書かれた本があるくらいだったというのもあります。それと、アメリカの不動産投資は、多分考え方が進んでいると思ったので、何かうまく日本に持ってこれるノウハウがないかな、というのもちょっとありました(笑)。
上田 そうなんですね(笑)。
広瀬 原書は、ファイナンシャルアカデミーの方が持っていて、その方に貸してもらったんです。
上田 確かに誰かから紹介されないと、なかなか原書って触れる機会がないですよね。
広瀬 そうですね。まだアマゾンで当時買えたか、買えないかみたいな感じだったので。原書を手に入れるのはちょっと、今よりハードルが全然高かったと思います。
上田 実際の翻訳は、どんなふうに進められたのですか?
広瀬 版権は東洋経済さんに取ってもらって、翻訳ができあがって、もう出版がほぼ見えてきた段階で、せっかくなのでドルフさんと話したいっていうのを伝えて、それでコンタクトが取れて、電話とメールでやりとりしたという感じです。
上田 日本での投資のご経験とドルフ・デルース先生のものに触れられて、何か一番の違いは、何だったのですか?
広瀬 そうですね。正直、クリエイティブ過ぎてなかなか日本じゃ真似できないな、というところもあったんですけど、逆に日本だからこそできることも、多分あるなと思って。
上田 と言いますと?
広瀬 私の得意分野ですと、当時、店舗とか事務所の賃貸仲介やっていたので、そこの知見があるので、その辺はうまく自分では活かして、自分なりの不動産投資をしていました。上田さんは上田さんで、多分得意なところがいっぱいあって、日本で不動産投資をしている他の人も、何かそれぞれにすごく得意なところがあると思います。ドルフ・デルースの言っていることとはちょっと違いますけど、それぞれが自分の得意分野、武器を活かして不動産投資をやればいいのかなと。
上田 そういうことですね。ありがとうございます。