キリンビールの布施孝之社長亡くなったキリンビールの布施氏。キリンビール「復権」を果たした Photo by Koyo Yamamoto

キリンホールディングス(HD)傘下のキリンビールの布施孝之社長(61)が急逝したことが3日、ダイヤモンド編集部の取材で分かった。キリンビール社長は当面、キリンHD社長の磯崎功典氏が兼務する方向で調整している。キリンHDは3日午後1時に正式発表する。(ダイヤモンド編集部 山本興陽、名古屋和希)

キリン11年ぶりの「王者」復権に注力

 キリンホールディングス(HD)傘下のキリンビールの布施孝之社長(61)が急逝したことが3日、ダイヤモンド編集部の取材で分かった。

 布施氏は2015年にキリンビール社長に就任。20年にはビール類(ビール、発泡酒、第三のビール)のシェアで11年ぶりに首位をアサヒビールから奪還するなど「王者」の復権に注力した。キリンビール社長は当面、キリンHD社長の磯崎功典氏が兼務する方向で調整している。

 布施氏は82年に早稲田大学卒業後、キリンビール(現キリンHD)に入社。首都圏営業企画部長やキリンビールマーケティング社長などを経て、10年に傘下の小岩井乳業社長に就いた。小岩井乳業ではリストラなどで再建を主導した。営業畑が長く、現場からの人望が極めて厚かった。