発泡酒バブル
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ビール業界で“没落”扱いされていた発泡酒の売れ行きが好調だ。発泡酒の販売数量は21年2月までの5カ月連続で前年同月を上回った。実に6年振りの“成長期”だ。発泡酒バブルの裏には、コロナ禍ならではの二つの事情があった。(ダイヤモンド編集部 山本興陽)

“没落”発泡酒が爆売れでバブル状態
6年振りに5カ月連続で前年超え

「ここまで売れるとは思わなかった。完全な想定外だ」。あるビールメーカー幹部はうれしい悲鳴を隠さない。

 2020年10月の酒税改正以降、発泡酒の売れ行きが好調だ。21年2月の国内発泡酒市場は前年同月から6%増加し(販売数量ベース)、5カ月連続で前年超えとなった。

 発泡酒市場が前回、5カ月連続で前年を上回る伸びを見せたのは14年10月から15年2月にかけてのこと。実に6年振りの“成長期”となる。

 当時はビールメーカー各社が発泡酒の新商品を乱発していた時期だった。ところが今回は目立った新商品は出ておらず、“異例の爆売れ”である。

 発泡酒市場は年々縮小傾向だった。ビール、発泡酒、新ジャンルを合計したビール類市場に占める発泡酒の割合は03年には39.2%だったものの、20年は13.1%まで落ち込んだ。

 発泡酒が衰退した理由は、中途半端なポジショニングにある。「味のビール、コスパの新ジャンル」とされ、どっちつかずの発泡酒は消費者から見放されていった。酒類メーカーの社内でも「“没落”カテゴリー」という位置づけになっていた。

 ところが足元では“発泡酒バブル”が起きている。その背景には、コロナ禍ならではの二つの事情がある。