資生堂Photo:123RF

コロナ禍からの企業業績の回復は、勝ち組と負け組の格差が拡大して「K字型」に引き裂かれていくという二極化の議論が強まっている。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回は花王、資生堂、ユニ・チャームの「生活用品」業界3社について解説する。(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)

資生堂は約4割増収
でも「真の勝ち組」は別にいる?

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の生活用品業界3社。対象期間は21年4~6月の直近四半期としている。

 各社の増収率は以下の通りだった。

・花王
 増収率:7.7%(四半期の売上高3546億円)
・資生堂
 増収率:38.1%(四半期の売上高2637億円)
・ユニ・チャーム
 増収率:12.8%(四半期の売上高1949億円)

 生活用品業界3社の四半期増収率(前年同期比)は、3社ともプラスだった。特に資生堂は38.1%と、約4割の高い増収率を記録している。一方で、この数字の背景を詳しく見てみると、売上高の面で「真の勝ち組」は、むしろユニ・チャームの方だといえる。どういうことなのか。次ページ以降で詳しく解説する。