新CMの極秘情報がSNSで拡散されていた!広報部長の責任は?Photo:PIXTA

社運を懸けて開発し、ようやく発売にこぎ着けた新製品。ある俳優を起用し、意外性のあるCMで勝負に出ようと思っていたところ、情報が漏れ、発表前にTwitterで拡散されてしまった。しかも、情報の漏えい元が広報部長だったのだ。広報部長の責任は……?(社会保険労務士 木村政美)

社運を懸けた新商品。大々的にCMでアピールすることに

<甲社概要>
 地方都市にある従業員数300名の食品総合メーカー。
<乙社概要>
 甲社と同じ都市にある食品総合メーカーで、取扱商品の種類は甲社とほぼ同じ。
<登場人物>
 A:甲社社長、50歳。
 B:甲社広報部長、40歳。
 C:A社長の兄の子(おい)で人気俳優。叔父であるA社長を慕っている。
 D子:Bの娘、高校生。
 F:甲社の顧問社労士。

 甲社はチルド総菜を扱う地元では有名な会社だが、ここ数年売り上げはライバルの乙社に大きく水をあけられていた。乙社は2年前から新製品の宣伝に地元出身のお笑い芸人を起用し、その後立て続けにヒットを飛ばしていた。

 甲社も1年前から新製品として総菜の開発と試作を繰り返し、ついに発売できる段階までこぎ着けた。A社長はこの新製品を、会社を代表するヒット作にするべく、地元のテレビとインターネットで宣伝を流すことを決めた。A社長が考案したアイデアは、有名なお笑い芸人に顔出しで甲社のイメージキャラクターである鳥の着ぐるみを着てもらい、商品名を絶叫しながら激しいダンスを踊るというもの。そしてCMに出演する芸人の選定と交渉をB広報部長が担当することになった。