京王線新宿駅震度5弱以上の地震が発生すれば、多かれ少なかれ線路点検は必要になる(写真は地震後の京王線新宿駅で) Photo:Anadolu Agency/gettyimages

10月7日夜に発生した最大震度5強の地震により、首都圏の鉄道は一斉に運転を見合わせた。だが、鉄道各社によって運転再開までの時間は大きく異なった。なぜこのようなことが起きるのだろうか。(鉄道ジャーナリスト 枝久保達也)

10月7日夜の地震
運転再開に時間差

 10月7日午後10時41分に発生した千葉県北西部を震源とするマグニチュード5.9の地震では、埼玉県川口市、宮代町、東京都足立区で震度5強の強い揺れを観測。その他、東京都大田区、神奈川県横浜市、川崎市、埼玉県草加市、八潮市、三郷市、千葉県千葉市などでも震度5弱を観測した。

 地震により首都圏の鉄道各線は一斉に運転を見合わせたが、運転再開のタイミングは大きく異なった。震源から離れていた東急や京王、小田急などは徐行運転ながらも短時間で運転再開。都営地下鉄も地震発生から約15分後の午後10時55分までに全路線で運転を再開した。

 同じく地下鉄の東京メトロも午後11時過ぎにほとんどの路線が運転を再開したが、沿線で強い揺れを観測した区間で徒歩点検を実施したため、東西線葛西~西船橋間は午前0時41分、日比谷線北千住~人形町間は午前0時55分に再開した。その他、震源に近く、揺れが大きかった京成電鉄は午前1時50分、東武鉄道は午前2時6分頃に全線で運転を再開した。