探知犬写真はイメージです Photo:123RF

 空港で入国者の手荷物から違法薬物や危険物を嗅ぎ分ける探知犬が、訓練すると新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染者を特定できるようになることが報告された。ヘルシンキ大学(フィンランド)のAnu Kantele氏らの研究によるもので、詳細は「BMJ Global Health」に5月16日掲載された。

 この研究ではまず9頭の探知犬を、新型コロナウイルス感染者を特定できるようにトレーニングした。感度(COVID-19感染者を「感染している」と犬が判定する確率)と特異度(非感染者を「感染していない」と犬が判定する確率)ともに80%以上に達した4頭を選び、COVID-19患者や地域住民を対象に探知力をテスト。その後、実際に国際空港の到着ゲートに設置した専用ゲートで、乗客や乗員を対象とするテストを行って、実用性を検討した。

 前者のテストでは、まず420人の皮膚をスワブでこすって臭いを付けた検体を4セット作成。それを4頭の探知犬に嗅がせて判定させて、その結果を鼻腔スワブ検体によるPCR検査の結果と比較した。犬を誘導するスタッフや研究アシスタントは、PCR検査の結果を知らされていなかった。なお、420人中114人がPCR検査陽性者だった。