ドバイショック以上のショック!?
バブルが崩壊したドバイ株式市場から証券会社が続々撤退で大混乱!

海外投資に思わぬ落とし穴が……

 7月1日、ある投資家のもとに一通のメールが届いた。件名は「(重要)マックシャラフ証券UAE(アラブ首長国連邦)証券市場取引業務撤退のお知らせ」。

 ドバイにあるマックシャラフ証券は、書籍や雑誌で紹介され、ドバイの株価上昇を見込んだ日本人顧客が1000人程度いたと言われる。

個人投資家を襲った「第2次ドバイショック」とは?

 「メールには、一日平均売買代金が急落したから業務撤退すること、保有株は8月中に売却、もしくは証券会社か債券保管機構(日本の『ほふり』のような機関)に移管するかを選ぶようにと書かれていました。でも、新規に口座を開設するには外務省やUAE大使館での複雑な手続きが必要で短期間では難しく、しかも株価は半値以下の上に歴史的な円高のWパンチ。僕はとりあえず債券保管機構に移管しました」とは、前出の個人投資家。

 しかし、UAEを撤退するのはマックシャラフ証券だけではなかった。ピーク時は80社以上あったドバイの証券会社が47社に減少しているのだ。

 「証券会社の撤退は珍しくありませんが、これだけ急激に減少するのはレアケース。ドバイ経済の実態が不動産バブルによるもので経済に厚みがなく、出来高が急減しているのが原因でしょう」(新興国投資に詳しい戸松信博さん)

 今後、新興国の現地証券会社に口座開設する際には、株価、為替だけでなく「証券会社がなくなるリスク」も頭に入れておく必要がありそうだ。

(文/山田大介)