NTTがソフトバンクGを超える「借金王」に!?12兆円に膨らんだ有利子負債のリスクを徹底検証Photo by Reiji Murai

 NTTが抱える12兆円規模の有利子負債残高は、積極的な成長投資で、さらに膨らみそうだ。巨額の借り入れを行って、AI(人工知能)分野に莫大な投資を行うことで事業を拡大しているソフトバンクグループの戦略と重なる。特集『巨人復権 大NTTの野心』の#6で、NTTの財務の実態と課題に迫る。(ダイヤモンド編集部 村井令二)

トヨタ、ソフトバンクGに続く
NTTの巨大な有利子負債の“重み”とは?

 NTTが借金を膨らませて巨額投資にまい進している。

 2020年にNTTドコモを完全子会社化したのに続き、今年5月に決めたNTTデータグループ(データG)の完全子会社化によって有利子負債は12兆円を超える水準になりそうだ(詳細は、本特集#5『NTTの借金が12兆円超に膨張!ドコモ・データ再編で財務は健全性重視から“積極財政”に転換、次なる巨額投資「3つのターゲット」に迫る』参照)。

 これにより、連結有利子負債の残高は、日系企業の中で、トヨタ自動車とソフトバンクグループ(SBG)に続く水準になる。トヨタは、金融事業を除けば借金の規模は小さいため、国内ではNTTとSBGの2社がトップクラスの「借金企業」と言える。

 SBGは銀行借り入れや社債などの資金調達手段をフル活用して事業を拡大してきた。NTTは、それと競い合うように巨額投資を推進して借金を急速に増やしている。

 次ページで、SBGの財務構造との比較を通じて、NTTが抱える12兆円規模の有利子負債の実態と課題に迫る。果たしてNTTの借金の“重み”とは。