
高田直芳
第33回
これまで多くの経営指標を紹介すると同時に、それらの問題点について言及してきた本コラム。今回は、電気機器業界の決算データを拝借して、IFRS時代に向けた筆者オリジナルの「本当に使える経営指標」を紹介する。

第32回
昨年来、多くの注目を集めているIFRS。そんななかでも、商社は売上高を大きく縮小してしまう可能性があるなど、最も大きな影響を受ける業態の1つだ。今回は主に住友商事を取り上げ、その影響を分析していこう。

第31回
かつて「商社冬の時代」というフレーズが飛び交った。今回は「決算書」分析によって、「財閥系」と「非財閥系」商社の特色を探りつつ、2010年も「商社いまだ冬の時代」かどうかを検証していきたい。

第30回
かつて日本の国家戦略の基本に据え置かれていた「鉄」。しかし、時代の流れと不況により、その地位は揺らぎ始めている。しかも鉄鋼業界は、ある“経営判断ミス”により、斜陽化をより早めてしまっているという。

第29回
ディフェンシブ銘柄とは、現在のようなデフレ状況下においても「不況に耐性のある企業」の株価を指す。今回はその中でも代表格である医薬品業界などを取り上げ、分析とIFRSによる影響を探っていきたい。

第28回
今回は電子化が進んだとはいえ、未だに多くの職場で幅を利かせている事務用機器メーカー、キヤノンやリコーに注目する。この両社は、不況の影響をダイレクトに受けており、今後の行く末が大変気になるところだ。

第27回
本連載では、これまで数多くの上場企業を取り上げてきた。しかしその東証1部上場の母集団のほとんどが、いわゆる「ドンブリ原価計算」なのではないか、と筆者は疑っている。なぜ上場企業までがドンブリ勘定なのか。

第26回
景気のよい「平時」であれば、PER(株価収益率)などの指標も安定しているが、不況時には株価指標としての役割が崩壊してしまう。今回は、話題の絶えない自動車業界を取り上げながら、PERの復権を図ってみたい。

第25回
三菱電機と東芝は、重電部門への「選択と集中」を進めている。ところが、この戦略は必ずしも“選択”とは言えない部分がある。韓国サムスン電子に追いつめられ、「やむを得ず選択した」可能性もあるからだ。

第24回
電機業界が惨憺たる状況であるなか、パナソニックは09年9月期に289億円の営業黒字に転じた。今回は、某メディアが挙げたパナソニックの業績回復要因について分析し、“回復”の真相に迫りたいと思う。

第23回
今回はエレクトロニクス業界のソニー・富士通・NECの、09年9月期決算を検証する。この三社は、経営分析対象となりにくい「健全なる赤字決算」を続ける「難攻不落トリオ」である。

第22回
物価を考える際、水は常に“最新製品の供給”であるから、需給法則が当てはまるはずだ。したがって、供給過多であれば価格は下がってもよさそうなものなのだが、水道料金はむしろ上昇し続けている。一体なぜなのか。

第21回
「固定費削減により業績回復の兆しが見え始めた」といわれる自動車メーカー。しかし実際に分析をしていくと、「生産管理の鬼」であるトヨタでさえも苦戦する固定費削減の実態が見えてくる。

第20回
百貨店業界の全売上高に占める割合35.3%を一気に吹き飛ばし、アルコール飲料業界とタバコ業界の売上を数兆円単位で減少させる憂鬱の種が現れた。それは数年後に迫った、国際会計基準(IFRS)の適用である。企業活動はすべからく貨幣単位で表わされる。その貨幣単位をベースに、認識・測定・表示といった物差しを、世界共通のものとしようというのが、IFRSの野望である。

第19回
鳩山政権の誕生によって「JAL問題」や「ダム建設問題」が揉めることは、事前に予想されていた。だが、それとは別に、中小企業などを対象とした「返済猶予制度」が登場したことには、多くの方が驚いたことだろう。そういえば、9年前、東京都や大阪府で、銀行に対する外形標準課税の強化が行なわれて裁判沙汰にまでなった。それに比べれば今回の制度には公的資金の手当があることから、金融機関にも配慮している、という理屈なのだろう。ただし、その公的資金は、どこから湧いてくるのか。そこが問題である。

第18回
大企業の在庫調整が一巡し、いよいよ景気も回復傾向かと思われたが、決してそうではない。なぜなら、大企業の在庫圧縮は、下請け企業から納品された「部品」を戻すことによって行なわれることもあるからだ。

第17回
堅実な業績の三井不動産だが、フリーキャッシュフローによる検証を行なうと、「ダメ会社」と判断されてしまう。しかしそれは、フリーキャッシュフローが「ダメ指標」であるからという点に注意せねばならない。

第16回
経営分析の世界では、理論的な背景が検証されないまま使われる経営指標が少なくない。今回はその1つである「フリーキャッシュフロー」を、迷走を続ける経営再建中のJALを例にして、理論的に求めていこう。

第15回
投資家やマスメディアは、企業分析の指標としてROE(自己資本利益率)を絶対的なものとしがちだ。しかし、「借金を重ねる」という行為がROEを高める効果もあり、ROEの高さで企業価値を判断するのは早計だ。

第14回
業界に激震が走ったキリン-サントリーの経営統合。この統合によって、「零細小売店の淘汰」と「自販機シェア争い激化」が進み、飲食料品流通業界に「倒産の嵐」が吹き荒れる可能性が高まっている。
