
白井邦芳
第13回
太平洋上に発生した小さな台風が、巨大台風に成長し、日本本土に上陸した。某損害保険会社は早い段階から台風をウォッチし、事前、事後の危機対応策を実施。その対応によって、他社に大きな差をつけた。

第12回
不正取引の追及を受けているA社の副社長は、当局との情報格差に唖然とした。内部調査の報告と違い、組織的関与をうかがわせる証拠を突きつけれたからだ。この情報格差は一体どこから生れたのか。

第11回
ある金融機関から取引先の詳細な情報と、行員の個人情報が流出した。Winny上で閲覧可能となったら、その情報はもはや消去不能だ。この困難な状況を打開する秘策とは。

第10回
ある大学生の葬儀に現れた男は、「実はご子息は自分の会社でアルバイトをしていた」と告げ、過分な香典を差し出し、書類への捺印を求めた。それは保険金詐欺事件の一部だったのだが、その巧みさゆえに当初、保険会社も気づかなかった。

第9回
サンプル品が売られているという第1報を重要視しなかったX社。その後、サンプル品を購入した消費者からのクレームが、風評被害に発展した。在庫管理を請け負った外部業者の横流しに原因があったのだが……。

第8回
「一発かましたれや!」。マンションの一室でこういう声が響いた。通販の「返品特約」を逆手に取り、反社会勢力が一斉攻撃を開始したのである。1度甘い対応を行うと、その会社は骨までしゃぶりつくされる。

第6回
ある化学メーカーで工場の爆発事故が発生した。同社のリスク管理担当役員は、正式の危機管理対策本部のほかに裏対策本部があるという噂を耳にする。果たして真実はどこに。

第5回
ある製パンメーカーの菓子パンに、カッターナイフの刃が混入された。犯行声明も要求もない「愉快犯」。犯行は毎日続くが、一向に犯人は逮捕されない。企業広報マンは、ついに日本では前例のない手段に打って出た。

第4回
食品の原材料由来(日本で最も多い異物混入)事故がテーマ。事実を公表するかどうかで葛藤する役員会、隠蔽を企てる原材料納品業者との闘い、さらに誤報道への対応を描く。いずれも現実に発生した複数の事件が基になっている。

第3回
個人情報が大量に流出した。反社会勢力からこれをネタに脅迫を受けるB社。初動判断の遅れから、防戦一方に回る。さて、このようなケースではどのような危機管理をすべきなのだろうか。

第2回
不正による損害は、時間の経過とともに急拡大する。それゆえに、不正の早期発見が何よりも大切だ。早期発見に向けて、不正通報メールが届いたときの対処法を伝授する。

第1回
最近、海外において報道関係者が続けて亡くなった。一方、アイスランドの火山噴火で空の足が麻痺するなど、海外で発生するリスクが身近になった。そこで連載第1回目は、具体的事例を紹介しつつ、海外リスクへの対処法を解説する。
