原 英次郎
第9回
トヨタ問題は、予想を超える速さと広がりで、全米を巻き込む大騒動に発展した。すでにこの問題はさまざまな角度から論じられているが、今回は企業を元気にする以前に、企業の存続を“守る”という意味で、リスクマネジメントの視点から考えてみたい。リスクマネジメントの専門家である小川真人ACEコンサルティング代表取締役に、このトヨタ問題が、我々に一体、何を語っているのか、そのリスクの所在、リスクへの対応を聞く。

第13回
数多のメーカーがひしめく段ボール箱業界に、ITを活用した小ロット受注で注目を集めている企業がある。埼玉県のアースダンボールだ。その強みは、メーカーの基本の基である原価計算の精度向上への徹底したこだわりにある。

第8回
所得ピラミッドの最下層を狙うBOP(ボトム・オブ・ピラミッド)ビジネスは、収奪的な従来の貧困層向け商売とは発想が異なるところに特徴がある。市場を育て現地と共に潤うことを目指すフマキラーのインドネシア事業はまさにBOPビジネスの好例である。

第7回
病院や検体検査会社を主要顧客とするシスメックスは一般にはなじみが薄いものの、血球計数検査では世界首位の知る人ぞ知る優良企業である。そのビジネスモデルは、他の追随を許さない仕組みの結晶である。

第6回
公文(くもん)式教育で有名な公文グループの海外展開スタートは、1974年と思いのほか早い。売上でみても、2009年3月期の3割強は海外が占める。試行錯誤の中で常に支えとなってきたのは、他でもない創業者の理念である。

第12回
前回に続き、醸造機械のトップメーカー、フジワラテクノアートの藤原恵子社長へのインタビューをお届けする。経営者だった夫の死を乗り越え、会社そして日本の醸造技術を守り続ける藤原社長の原動力とは?

第5回
いま意気消沈気味の日本のエレクトロニクス業界にあって、LED(発光ダイオード)は久々に注目されている大型製品である。その製造装置市場に早くから参入し、確固たる地位を築いたのが大陽日酸だ。産業ガスの生産・供給を本業とする会社がなぜLED製造のキーマシンであるMOCVD(有機金属気相成長)装置の国内トップメーカーになれたのか。同社の成功は、挑戦する目的が明確に存在することの大切さを教えてくれる。

第4回
いまコマツの坂根正弘会長は中国市場の復活に手ごたえを感じている。「2004年に中国が金融を引き締めたときには、建設機械がバタバタと止まってしまった。これに比べると、リーマンショック以降はそこまでひどくない。いま中国では機械の稼働時間がものすごく伸びてきているので、これは本物」。メーカーにいる坂根会長はなぜ建設機械の稼働状況まで把握できるのか。その情報収集を支えているのが、コマツが開発したKOMTRAXという機械稼働管理システムだ。

第11回
岡山空港近くの美しい丘陵地に、その企業はある。醸造機械のトップメーカー、フジワラテクノアートだ。経営者だった夫の死を乗り越え、会社そして醸造技術を守り続ける女性社長の奮闘を、上下二回に渡りお届けする。

第3回
世界経済は、依然として、不安定な状況が続いている。その中で日本企業は、生産コストがカギを握る大量生産品では、新興国の追い上げを受け、競争力を失いつつある。経営学の泰斗・神戸大学大学院の加護野忠男教授に、日本企業が活力と元気を取り戻すための条件を聞く。加護野教授は、今の日本企業に必要なのは、製品よりも仕組みのイノベーションであると説く。

第10回
医療・測定器の最先端分野で世界的に高い評価を得ている三鷹光器は、典型的な開発型の企業といえる。開発には当たり外れはつきもののように思えるが、中村社長はどのような姿勢で経営に取り組んでいるのか。

第2回
前回は、日本企業を取り巻くメガトレンドと、それがどんなビジネス・チャンスをもたらすのかを考えてみた。メガトレンドは「人口」「環境」「グローバリゼーション」の三つ。これを受けて、今回は注目される企業を概観してみよう。注目点は、規制の変化とアライアンスである。まず、そのヒントを与えてくれるのが株式市場だ。株式市場は時にしてバブルを起こすが、それは将来の成長産業、有望企業に、おカネが集中して投資されるからでもある。

第1回
これからの10年を考えたとき、どんな企業が日本経済を引っ張っていくのか?その答えに到達するためには、ビジネスのメガトレンドを押さえることが重要だ。連載スタートに当たって、まずはメガトレンドとその商機について考えてみたい。

第9回
医療・測定器の最先端分野で世界的に高い評価を得ている中堅企業が東京都三鷹市にある。精密機器メーカーの三鷹光器だ。天体望遠鏡に遡る同社の軌跡を辿ると、研究開発型企業の経営のヒントが見えてくる。

第18回
ようやく訪れた政権交代は、50年以上に及ぶ自民党政権が残した“負”の遺産を処理する絶好の機会である。だが、その負の遺産は、途方もなく大きい。その解決は長い時間と国民的なコンセンサスが必要になる。青臭いと言われようが、ここは拙速を避けて、基本的な理念や基準を確立すべきだ。それが長期にわたって、国民の支持を得るためのカギを握っている。

第8回
前回に続き、職人芸とITを融合させたユニークな経営を実践している東海バネ工業の渡辺良機社長へのインタビューをお届けする。同氏がIT活用に真に目覚めたのは、インテルジャパン元社長の西岡氏との出会いがきっかけだった。

第7回
職人芸とITを融合させたユニークな経営を実践している中堅企業が関西にある。66期連続黒字決算を記録中の東海バネ工業だ。注文は一個からでも受けるという多品種微量生産の秘密を、二代目社長の渡辺良機氏に聞いた。

第6回
今やジェネリック医薬品業界の最大手の一角を占める大洋薬品にも苦しい時期はあった。放漫経営が原因で、昭和40年代には倒産の瀬戸際に追い詰められた。そのとき、同社に送り込まれたのが新谷氏である。

第5回
この数年、ジェネリック医薬品という言葉を耳にした人も多いだろう。大洋薬品工業は、その最大手の一角を占める。2005年のポーター賞受賞企業でもある同社の競争戦略と成長の軌跡を、二回に分けて新谷社長に聞く。

第4回
日本高純度化学の社長として迎えられてから十数年後に、大きな転機が訪れる。外資からの買収話が持ち込まれたのだ。最終的に、渡辺社長はMBOを決断する。それは日本初のMBOでもあった。
