
加藤嘉一
第55回
2015年7月1日、中国共産党は94回目の設立記念日を迎えた。現在の中華人民共和国が設立される以前から、共産党はあった。現在、共産党がどのような状況にあるのかをレビューし、習近平による共産党政治の“現在地”を浮かび上がらせたい。

第54回
2017年に行われる第五代香港特別行政区行政長官の普通選挙法案が否決された。“1人1票の普通選挙”によって香港の行政長官が選ばれるのは、早くても2022年に持ち越される。今回の否決で「真の勝者」になったのは中国共産党か、それとも香港市民なのか。

第53回
今回は、中国共産党政権下における“国有企業改革”について議論したい。中国において、国有企業改革を巡る特定の定義や定説は存在しない。時の政府によってスタンスが変わるからだ。国有企業改革には、常に「政治」という色がつきまとう。

第52回
先日、習近平国家主席が訪中した自民党の二階俊博総務会長に同行した約3000人の日本人訪中団を前に行った演説は、日本との外交関係を高度に重視している印象を、内外に与える内容だった。習首席の演説の背景には、どんな意思があったのだろうか。

第51回
最近、中国共産党指導部によって開催された2つの会議を例に取り、“習近平の政治”を分析したい。これらの会議に見られる経済低迷の懸念と改革気運の煽りという二つのメッセージは、役人たちに「二重の恐怖」をもたらしそうだ。

第50回
日本の安倍晋三首相が訪問する直前のワシントンDCにおいて、筆者が政策関係者や知識人と話をする限りでは、安倍首相本人の歴史認識への関心が圧倒的に高いようだ。このタイミングで、中国の“歴史外交”はいつまで続くのかを考えてみる。

第49回
2011年の中国共産党第十七期中央委員会第六回全体会議では、数年ぶりに「文化」が集中討議された。皮肉なことに、お上が“文化”を重視すればするほど、中国の文化やブランドは萎んでいく。このことを、米国の戦略家たちはどう感じているか。

第48回
中国で稼ぎつつ、中国を傷つけることは許せない――。昨年、サマーダボス会議で中国の魯国家インターネット情報弁公室主任が、こう発言した。この言葉に象徴されるように、米国には中国の民主化を逆に封じ込めようとしているフシも見える。

第47回
中国北京で“両会”と呼ばれる一年に一度の会議、全国人民代表大会と全国政治協商会議が同時に開催された。今回は中国の民主化に焦点を定め、それにまつわる3つのストーリーを描写しつつ、最後に1つのインプリケーションを導き出したい。

第46回
米国の対中戦略・政策は、深刻な問題をはらんでいる。象徴的なのが、中国国内で起きる米国メディアへの言論抑制に対して、オバマ政権が強い態度をとれないことだ。米国が中国に“外圧”をかけられないという、不都合な真実が見え隠れする。

第45回
あらゆる分野で深まる米中交流が、中国の民主化を促進する可能性はどれだけあるのか。筆者が様々な識者や留学生に意見を聞いたところ、米国での留学を終え、より“愛国的”になって帰国する中国人留学生が増えているようだ。それはなぜか。

第44回
先頃、中共中央弁公庁と国務院弁公庁が、大学の宣伝思想工作を強化するという趣旨の公式文書を発表した。筆者は4年前に北京大学を震撼させた「会商」制度を思い出した。中国の大学で強化されるイデオロギー工作と思想統制について論じたい。

第43回
習近平が国家主席に就任してもうすぐ2年になる今、習近平という男の特徴を整理しておきたい。昨今の中国問題は習近平を始発点としており、また習近平の生々しい人物像にフォーカスせず、中国問題を解析する手がかりは探り出せないからだ。

第43回
習近平が国家主席に就任してもうすぐ2年になる今、習近平という男の特徴を整理しておきたい。昨今の中国問題は習近平を始発点としており、また習近平の生々しい人物像にフォーカスせず、中国問題を解析する手がかりは探り出せないからだ。

第42回
中国共産党政治史に残る事件が12月の上旬と下旬にそれぞれ発生している。一つは最高人民検察院による周永康の逮捕。もう一つは令計画全国政治協商会議副主席兼中央統一戦線部部長の“落馬”だ。2015年の習近平の政治はどのようなものなのだろうか。

第41回
香港で約75日間続いた「占中」(occupy central)抗議活動が、ひとまず終了したかに見える。平和的な幕引きと言われるが、私は中国はそれしかできなかったと見ている。本稿で改めて、中国共産党指導部の「占中」対処戦略を分析してみよう。

第40回
先週末台湾で行われた統一地方選挙、及びそこから発生する政治情勢は、本連載のテーマである中国民主化問題を考察するうえでフォローアップしておかなければならない。選挙過程と結果がどう“中国民主化”に影響するのだろうか。

第39回
中国民主化研究という観点から、習近平・オバマ両リーダーのやりとりには、中国政治の未来を習近平の思考回路や価値体系から考えるうえで、重要なエッセンスが詰まっている。本稿ではインプリケーションを3つ抽出し、検証を加える。

第38回
“法治”を主なアジェンダに設定し10月20日〜23日に開催された四中全会。前回、四中全会は習近平政権の件力基盤を計る試金石だと述べた。今回はその四中全会を振り返りながら、3つの視角から習近平がどこまで権力を掌握しているか考えてみたい。

第37回
10月20〜23日、中国共産党第18期中央委員会第4回全体会議(通称“四中全会”)が開催されている。その主要アジェンダは「法治」。過去の四中全会を振り返っても初めてのことだ。アジェンダを「法治」に設定した習近平政権の思惑とは?
