
加藤嘉一
第36回
9月28日以来、中国の国慶節(10月1日)を挟んで、香港の中心部で“占中デモ”が続いている。英国、米国政府が声明を発表するなか、中国政府は内政問題だという公式見解を示している。民主化という視角から、香港情勢はどう影響するのだろうか。

第3回
“日中首脳会談”は開かれるのか?現段階では決まっていないが、「盛り上がる世論を後ろ盾に、無条件で首脳会談の開催を希求する日本側」と「開催には条件が必要だと断固主張し、世論はまったく盛り上がっていない中国側」。これが会談に向けた日中両国の構図であろう。

第2回
中国のある会合で習近平国家主席に近い共産党関係者が小声でこう呟いた。「習近平はオバマとプーチンの関係にこだわっている。APEC会議を利用して、米露の橋渡しをすることで、双方に恩を売りたいと思っている」筆者は彼を外に誘い、話を聞いた。

第35回
8月22日は鄧小平生誕110周年に当たる。中国共産党と習近平国家主席はトウ小平をこれでもかと持ち上げ、《トウ小平同志生誕110周年座談会》で談話を発表している。ここから、習近平の政治観と政治改革を先行きを考察してみよう。

第34回
本稿では、中国とシンガポールを比較して、国家建設や統治モデルといったガバナンスレベルではなく、愛国主義、或いは「国家」や「民族」の発展や変遷と切り離せないナショナリズムという観点から、両国に生きる人々の潜在意識・現状認識を検証してみたい。

第33回
中国共産党は「シンガポールモデル」と呼び、発展モデルを大いに参考にしており、南洋理工大学へは中国共産党官僚が“研修”に訪れている。しかし、両国の官僚が置かれた環境はまったく違う。習近平はシンガポールから何をどう執政過程に活かすのか。

第32回
習近平国家主席が、特に政権二期目となる2017年以降、何らかの“政治改革”に挑戦する可能性は否定出来ない。“政治改革”、或いはその先にある“民主化”というテーマを考えるにあたり、私が重要だと考える3つの条件を整理しておきたい。

第31回
習近平が何を考えているかを知ることが中国政治を理解する上でもっとも重要だ――。ある中国政府高官はこう断言する。ただ、多くの知識人たちは同時に「習近平は読めない」と漏らす。この不確実性はどのように中国政治に影響を与えるのだろうか。

第30回
ハーバードで学んでいる中国人留学生たちは、自由民主主義を謳歌する環境で学んだあと、中国の政治改革をどう促すのか。その視点で留学生たちと対話していくと、中国共産党が及ぼす影響力の大きさを、改めて思い知らされることになった。

第29回
明日、2014年6月4日、天安門事件が勃発して25年になる。“25周年”という表現は適切ではない。「暗黒の歴史」だからだ。中国共産党が民主化を追求する過程で、この「暗黒の歴史」とどう向き合って行くのかについて考えてみたい。

第28回
台湾海峡を挟んだ現状は中国民主化という本連載の核心的テーマにどのようなインプリケーションを与えるのか。そのヒントとなるのが冒頭の“中台青年対話”だ。4つの具体的なコメントを取り上げて、考えていきたい。

第430回
バラク・オバマ米大統領と安倍晋三総理大臣による日米首脳会談が4月24日開催される。TPP、ウクライナ情勢、東アジアの安全保障……、テーマはいくつもあるが、日本にとって意味のある会談にするためには何を話すべきなのだろうか。

第27回
前回コラムでも言及したが、香港に来る中国人が増えることは、中国民主化プロセスにとっては長期的にポジティブである。そして、民主政治が行われている台湾に多くの中国人が来る現状は、中国民主化プロセスの観点からすれば朗報だ。

第26回
香港と中国の関係を考えるとき、「“中国の台頭”は“返還後の香港”をどう変えるか」という側面ばかりに注目が集まる。だが、「香港というファクターは中国民主化にどういう影響を与えるか」という逆方向の問題も正視する必要があるのではないか。

第25回
3月3日〜13日、中国北京では「全人代」と「政協」が開かれた。中国共産党指導部がこれからどのような政策を打ち出していくのかを理解する上で極めて重要なものだ。本稿ではこれらが中国民主化にどのように影響するのかを考えてみたい。

第24回
中国にとって健全な民主化プロセスとはどうあるべきで、そのために、表面的には対外的だが、根源的には対内的な“ジャパン・ファクター”はどのような役割を果たすべきなのだろうか? 短期集中考察の最終回は、この問いの答えを探っていく。

第23回
本連載でも度々登場してきた「中国共産党の正当性」という観点から“反日”の持つインパクトを考察してみたい。「中国共産党の正当性」の根拠を整理しつつ、日本が共産党政権に及ぼす重要性の「中身の変遷」にも目を向けてみたい。

第22回
本稿を含め約3回にわたって「“反日”と“民主化の関係」に切り込んでみたい。まず私なりに主張したいのは、両者の間に直接的な相互依存関係を見出すのは困難であるし、安易に見出すべきではなかろうということである。

第21回
2013年12月30日に開催された政治局会議において、習近平国家主席が《全面深化改革領導小組》の“組長”に就任することが決定されたことを紹介した。1月22日にこの小組の第一回会議が開かれたのだが、そこからは習近平氏の本気度が読み取れた。

第20回
2013年12月30日、中央政治局は定例会議を開いた。2013年最後の政治局会議である。本稿では、会議の焦点となった二つのポイントをレビューしつつ、2014年の中国政治動向を占う幕開けとしたい。
