
高野研一
戦争で経営が大ピンチ→有名企業が2500人の雇用を救った「まさか」の決断とは?
これまでの日本企業では、自社のビジョンを部下と共有しつつ、彼らに権限を委譲して育成やコーチングに力を入れる、バランス感覚に優れた人物が“理想のリーダー”とされてきた。しかし、ビジネスシーンでDX革命が起きている昨今、従来型のリーダーシップが通用しなくなっているという。日本の大企業で経営人材育成に携わる高野研一氏が、ヴァージン・グループの創業者リチャード・ブランソンの経営姿勢を例に、DX時代に求められるビジネスリーダーの在り方を説く。本稿は、高野研一『DX時代のビジネスリーダー』(経団連出版)の一部を抜粋・編集したものです。

第10回
今回は「経営の神様」と呼ばれた松下幸之助を取り上げたい。情報革命後の世界について話しているのに、少し古すぎるのではないかと思う人もいるかもしれない。しかし幸之助が情報革命後の世界を生きていたとしても、きっと成功したのではないかと考える。

第9回
リー・クアンユーはシンガポールの初代首相である。1965年にマレーシアから独立して以降、シンガポールを世界経済のハブにまで押し上げた。いまやシンガポールの一人当たりGDPは、日本を上回るまでになっている。

第8回
ガースナーは1993年に倒産の瀬戸際にあったIBMにCEOとして就任した。IBM再生に当たって、彼は2つの大きな賭けに出た。ひとつは業界全体の方向性に関する賭けであり、もうひとつはIBM自身の戦略に関する賭けだ。

第7回
3月21日、インテルの伝説的CEO、アンドリュー・グローブが79歳で永眠したという訃報が流れた。グローブは全米で最も優れた経営者のひとりともいわれる。インテルがパソコンのプラットフォームを支配する企業として飛躍する可能性を見出したからだ。

第6回
マーケティングとはビジネスにおいて重要なモノの見方を提供してきた学問だ。しかも、時代の流れに合わせて、マーケティング理論自体のモノの見方も変わってきている。コトラーはこうした学問自体の進化をリードしてきた。

第5回
ベゾスは1994年にインターネット書店のアマゾン・ドット・コムを立上げた。推奨機能や翌日配送などを強みに事業を拡大し、現在は家電や雑貨などにも品揃えを広げ、リアルな店舗に大きな脅威を与える存在となっている。

第4回
スティーブ・ジョブズは情報革命の中を勝ち上がってきたビジネスリーダーとして、最強の人物といえるだろう。ジョブズ亡き後も、アップルは世界で最も優れた企業、最も価値ある企業としてその名をとどろかせている。

第3回
口を開けば「仮説」と「検証」という言葉がでてくることで有名な、セブン&アイ・ホールディングスの鈴木敏文会長。氏は仮説の設定と検証を通じて、セブンイレブンを日本で大成功させた立役者だ。

第2回
グーグルの創業者、ラリー・ペイジとセルゲイ・ブリンの二人はスティーブ・ジョブズやジェフ・ベゾスに比べると目立たない存在ではあるが、人類史上において革命的な変化をもたらしたという観点から見ると、両者をはるかに上回っているかもしれない。

第1回
孫正義氏は19歳の時に「人生50年計画」を打ち立て、現在まで着実に実行してきている。この中身が半端ではない。「20代で名乗りを上げ、30代で軍資金を1000億円貯め、40代でひと勝負し、50代で事業を完成させ、60代で事業を後継者に引き継ぐ」

第4回
「世界称賛企業」にランクインした日本企業の顔ぶれをみると、いまだ産業革命の流れを受け、自然科学の知見に軸足を置いた企業に偏っている。日本企業が21世紀の情報革命を生き残っていくためには、どのように発想を転換し新しい能力を獲得すべきかについて考える。

第3回
「世界称賛企業」ランキングを見ていると、時代の大きな転換期に差しかかっていることが分かる。18世紀後半に始まった産業革命のビッグ・ウエイブが終わりに近づくとともに、情報革命という新しいビッグ・ウエイブが社会的変革を引き起こし始めたことを象徴しているといえよう。

第6回
日本はいま右肩下がりの局面に入りつつある。この状況を生き抜くためには、①右肩上がりの時代にできた古い仕組みを壊す、②終身雇用制が生み出す既得権意識を払拭する、③試行錯誤や実験を通じて勝ち筋を見出す、の3つのアプローチが必要だ。

第5回
今回は次世代経営者に必要なもう一つの資質である「リーダーシップ」を考察する。優れたリーダーシップを発揮するには、自分の情動をコントロールするために、無意識の世界にある「動機」に対する理解が必要である。

第4回
いま次世代の経営者に求められている資質とは、「戦略提言力」と「リーダーシップ」の2つであろう。今回は戦略提言力とは何であり、それをいかにして鍛え上げるかを論じてみたい。
