枝久保達也
平成の終わりとともに、電車の車内販売が消えようとしている。振り返れば、昭和の終わりとともに消えていったのが食堂車。電車の高速化とともに、「鉄道と食の関係」はどんどんと変わっていくものなのだ。

3月16日に行われた、毎年恒例の春のダイヤ改正。消えゆく列車がある中で、斬新なデザインで人目を引いたのは、西武鉄道の新型特急「Laview」だ。特急電車から始まった車両の「デザイナーズ化」は、徐々に通勤電車にも拡大しつつある。車両デザイン流行の変遷をたどってみよう。

東日本大震災から8年、甚大な被害を受けた鉄道路線の復旧は着々と進んでいる。鉄道として復旧する路線もあれば、高速バス輸送システム(BRT)に置き換わった路線もある。被災地のみならず、ローカル線が存亡の危機に立たされているのは、日本中の課題。被災地の取り組みを通じて、ローカル線の置かれている状況と未来を考えてみよう。

右肩上がりで増え続ける羽田空港利用者を取り込むべく、JR東日本と京急電鉄の戦いがいよいよヒートアップしてきた。JR東は2029年にも「羽田空港アクセス線」を開業する予定だが、JR東が狙うのは京急利用者ではなく、もっと高運賃を望めるリムジンバスの乗客ではないだろうか。

JR東海、JR東日本が開発中の新幹線新型車両。JR東の「ALFA-X」は、22メートルものロングノーズを持つ先頭車両が特徴的だ。元祖である「0系」の丸い鼻からスタートした新幹線の顔は、なぜ変化し続けるのだろうか。

首都圏でもたびたび降雪の予報が出る2月、間引き運転による駅の大混雑を思い出してウンザリするビジネスパーソンも多いだろう。シロウト目には大した降雪ではなさそうに見えるのに、鉄道会社はなぜ、早々に間引き運転をするのか?そこには、首都圏の鉄道特有の事情と、過去に起きたトラブルからの教訓がある。

2030年度をめどに、横浜市営地下鉄ブルーラインが延伸することになった。今回の延伸によって、どのように便利になるのか、そして、今後どのようなステップを経て完成していくのか、まとめてみた。

上野動物園モノレールが11月1日に運行休止となることが決まった。日本最古のモノレールとして誕生し、廃止論を乗り越えて来園者に親しまれた上野動物園モノレールの歴史を改めて振り返ってみよう。

今年末にも開業見込みといわれる「相鉄・JR直通線」の工事が大詰めを迎えている。といっても、実は線路を新設するのはたった2.7kmの区間のみ。そのほかは、既存の貨物線などを縫うように走る電車なのだ。実は東京圏や大阪圏などの大都市圏では、この「貨物線の旅客転用」が輸送力アップの秘密兵器として活躍している。

大阪メトロは昨年末、夢洲駅に高さ275メートルのビルを建設する計画を発表した。関西ではアベノハルカスに次ぐ高さで、総工費は約1000億円。しかし、この計画には危うさもつきまとう。

昨年末、大阪メトロが発表した、駅のリニューアルデザイン案に、浪速っ子から大ブーイングが起きている。奇抜なデザインにも驚かされるが、すでに市営地下鉄時代に改装工事に着手している梅田駅、中津駅などのデザインを再変更するなど、経営判断の観点からも摩訶不思議である。

今年3月のダイヤ改正で北海道新幹線の東京〜新函館北斗間が4分間短縮されたことが大ニュースとなっている。鉄道の所要時間が4時間を切ると、飛行機とのシェアが逆転するという「4時間の壁」説があるからだ。しかし、つぶさに検証してみると、シェアを左右するのは単純に所要時間だけではない。現状の分析を基に、北海道新幹線の未来を考えてみよう。

新小岩駅快速線ホームで使用が始まったホームドア。「自殺の名所」という扱われ方をされてしまい、自殺者が増えたために設置を急いだと見られるが、そもそもホームドアは自殺防止が主目的ではない。なぜ1.3メートルという中途半端な高さのドア設置が進められているのか、設置にはどんな困難があるのかなど、ホームドアを巡る疑問に迫ってみた。

JR東日本は山手線で自動運転の試験を実施すると発表した。ゆりかもめ等のゴムタイヤで走る新交通システムでは、運転士が乗務しない「ドライバレス運転」がすでに実用化されているが、「なぜ今になって鉄道の山手線で」なのか。

JR東日本は4日、田町~品川間の新駅の名称を「高輪ゲートウェイ」に決定したと発表した。駅名案は一般公募が行われ、JR東はあらかじめ、これは投票ではなく応募された全ての案を参考に選考すると予防線を張っていたが、駅名に対する評価は芳しいものではなかった。

12月9日は「障害者の日」。平成のあいだ、日本の公共交通におけるバリアフリーは大きく進歩した。しかし、いまだにタクシーや飛行機で障害者対応が十分ではなくて問題になったり、電車とホームの間の隙間や段差が車いす利用者の不便になっている。今の日本の交通バリアフリーに欠けているものは何だろうか?

2025年の万博開催地が大阪に決定した。大阪はカジノを含むIR施設誘致にも乗り出しており、万博開催地とIR施設予定地はなんと隣同士。万博だけでも鉄道輸送は大混雑が予想されるが、もしIR誘致が成功してしまえば、混雑はさらに増す。

鉄道やバスはもちろん、レンタカーやカーシェアリング、レンタサイクルなど、あらゆる移動手段をオンライン上で一括検索できるようにするなどして、マイカーに頼らずとも人の移動を便利にする「MaaS(マース)」。まだ耳慣れない言葉だが、最近は鉄道事業者が相次いで実証実験をスタートさせるなど、ホットな取り組みとなってきている。

12月2日、東京メトロ千代田線綾瀬駅から小田急線を経て、JR御殿場線御殿場駅まで直通する特急「メトロあさぎり号」が臨時運転される。マニア垂涎のチケットはすでに完売。地下鉄直通特急というジャンルは今後、どのような広がりを見せていくのだろうか?

経営難に陥っているJR北海道が表明した運賃値上げ。しかし、沿線自治体からは非難の声が殺到している。JR北海道の値上げは果たして妥当なのか。それを考えるには、他社との比較や、旧国鉄時代から今まで引きずっている運賃政策のまずさを知る必要がある。
