枝久保達也
大手私鉄に準じる売上高ながら、鉄道事業が連結売上高の1%にも満たない不思議な鉄道会社がある。静岡県の遠州鉄道と静岡鉄道である。しかし、鉄道事業が片手間なのかといえば決してそうではなく、むしろ充実した事業展開をしている。今回はこのユニークな2社をご紹介する。

「横浜シーサイドライン」の逆走事故で、自動運転に対する懸念の声が高まっている。しかし一口に「自動運転」といっても、実はその内容はさまざま。今回の事故路線と同規格、かつ無人運転で運行しているのは、神戸の「六甲ライナー」、東京の「ゆりかもめ」「日暮里・舎人ライナー」だが、自動運転はどのようなシステムで構成されているのか、どこに不具合の可能性があるのか、問題を整理した。

優れた鉄道車両に贈られる、鉄道の「ブルーリボン賞」。今年は小田急の新型ロマンスカーが受賞した。今回受賞した新型70000形「GSE」は、複々線化完成にあわせてデビューした記念すべき車両だ。

JR北海道が建設中の北海道新幹線、新函館北斗~札幌間を時速320キロに引き上げるための工事を国土交通省に申請した。時速引き上げは北海道新幹線の増収増益に寄与し、JR北海道の経営は上向くのだろうか?

5月8日、東急電鉄の駅にある券売機で、銀行預金を引き出せるサービスが始まった。鉄道会社がキャッシュアウトサービスを始めた背景にはどんな事情があるのだろうか?

2016年の開業以来、利用者数が右肩下がりと苦戦してきた北海道新幹線だが、ゴールデンウイークの10連休は久々に好調だった。JR北海道の経営再建の切り札になるようなドル箱路線になる日は本当にくるのか?北海道新幹線の未来を占うために、戦後の本州〜北海道の鉄道vs航空機の歴史を振り返ってみよう。

いよいよ新元号「令和」の時代が始まった。実は少し前から、鉄道業界では乗車券に印字する日付を元号から西暦表示に改めるなど、こっそりと「元号離れ」が進んでいる。元号と鉄道の関係について考えてみた。

好景気を背景とした消費ブームの象徴の1つがスキーブーム。スキーバスはもちろん、私鉄やJRもこぞってスキー専用列車を仕立てた。JR東日本に至っては駅の裏に開発したスキー場「ガーラ湯沢」で大成功を収めたが、その後ブームは急減速。鉄道会社が踊ったスキービジネスを振り返った。

地価が異常なペースで上がり、サラリーマンが都心に家を持つのが厳しかったバブル期は、新幹線通勤ブームが起きた時代でもあった。結果、新幹線にも起きた「通勤ラッシュ」問題に対処すべく、JR各社は定員を増やすための車両開発に注力していた時代でもある。

4月3日、読売新聞夕刊が報じた、東京の地下鉄新線計画。再選がかかっているためか、前のめりな小池百合子知事だが、利用人数がさほど見込めないなど、実現にはいくつかの疑問符もつく。

新年度が始まった。新元号の発表と、平成のカウントダウン、そしてやってくる10連休と世間は高揚感に包まれているが、新入社員や転勤、転職で新しく通勤電車を使い始めた人たちは、早くも満員電車に疲れ果てているかもしれない。そのうち慣れると言われても、できるだけストレスなく通勤したいもの。今回は、東京圏の通勤を少しでも快適にする情報を紹介したい。

平成の30年間で、駅や電車内の環境は大きく変わった。バブル期には、地下鉄ですらホームでたばこを吸えて駅前は放置自転車だらけ、冷房なしの車両も運行しており、おまけに駅員も乗務員もほぼ全員男性というのが、鉄道のスタンダードであった。

平成の終わりとともに、電車の車内販売が消えようとしている。振り返れば、昭和の終わりとともに消えていったのが食堂車。電車の高速化とともに、「鉄道と食の関係」はどんどんと変わっていくものなのだ。

3月16日に行われた、毎年恒例の春のダイヤ改正。消えゆく列車がある中で、斬新なデザインで人目を引いたのは、西武鉄道の新型特急「Laview」だ。特急電車から始まった車両の「デザイナーズ化」は、徐々に通勤電車にも拡大しつつある。車両デザイン流行の変遷をたどってみよう。

東日本大震災から8年、甚大な被害を受けた鉄道路線の復旧は着々と進んでいる。鉄道として復旧する路線もあれば、高速バス輸送システム(BRT)に置き換わった路線もある。被災地のみならず、ローカル線が存亡の危機に立たされているのは、日本中の課題。被災地の取り組みを通じて、ローカル線の置かれている状況と未来を考えてみよう。

右肩上がりで増え続ける羽田空港利用者を取り込むべく、JR東日本と京急電鉄の戦いがいよいよヒートアップしてきた。JR東は2029年にも「羽田空港アクセス線」を開業する予定だが、JR東が狙うのは京急利用者ではなく、もっと高運賃を望めるリムジンバスの乗客ではないだろうか。

JR東海、JR東日本が開発中の新幹線新型車両。JR東の「ALFA-X」は、22メートルものロングノーズを持つ先頭車両が特徴的だ。元祖である「0系」の丸い鼻からスタートした新幹線の顔は、なぜ変化し続けるのだろうか。

首都圏でもたびたび降雪の予報が出る2月、間引き運転による駅の大混雑を思い出してウンザリするビジネスパーソンも多いだろう。シロウト目には大した降雪ではなさそうに見えるのに、鉄道会社はなぜ、早々に間引き運転をするのか?そこには、首都圏の鉄道特有の事情と、過去に起きたトラブルからの教訓がある。

2030年度をめどに、横浜市営地下鉄ブルーラインが延伸することになった。今回の延伸によって、どのように便利になるのか、そして、今後どのようなステップを経て完成していくのか、まとめてみた。

上野動物園モノレールが11月1日に運行休止となることが決まった。日本最古のモノレールとして誕生し、廃止論を乗り越えて来園者に親しまれた上野動物園モノレールの歴史を改めて振り返ってみよう。
