枝久保達也
トラック運転手1人が死亡した京急電鉄の踏切事故。原因がトラックの踏切内での立ち往生にあるのは間違いないが、最新の安全対策を構築していれば、本来防げるはずの事故である。京急の踏切安全対策の現状と限界を解説する。

首都圏を直撃した台風15号。首都圏のJRと私鉄は初めて、足並みを揃えて計画運休に踏み切った。しかし、運転再開を巡っては駅に長蛇の列ができるなど、大混雑が起きた。計画運休は確かに有効な取り組みだが、「運転再開」が課題なのだ。

8月29日、横浜市営地下鉄ブルーラインで起きた脱線衝突事故は、運転士の居眠りが原因だった。横浜市営地下鉄だけでなく、鉄道会社では「4時間仮眠で18時間勤務」というようなシフト勤務が一般的で、運転士はもちろん、車掌や駅員らも慢性的な睡眠不足になりやすい。

2023年の北陸新幹線敦賀開業時にJR西日本から経営分離される並行在来線について、第三セクターの準備会社が設立された。せっかくの敦賀開業なのに、福井県民には大きなデメリットが生じる可能性が高い北陸新幹線。福井県では今、どのような対策がなされているのだろうか?

帰省ラッシュ真っ盛りの8月10日、静岡市でMaaSに関するシンポジウムが開催された。事業者などが参加するのかと思いきや、多数の一般市民が参加して400名の会場は満員。生活を便利に変えると言われる「MaaS」は、果たして静岡市民の期待に応えることができるだろうか?

あまり知られていない事実だが、実は戦時中、鉄道運行を支えていたのは女性職員たちだった。終戦時の国鉄職員の女性比率はなんと2割以上。女性活用が進みつつある現代よりも、高い比率である。

阪急阪神ホールディングスは10月、梅田駅を「大阪梅田」駅に改称することを発表した。この例だけでなく、不慣れな旅行者のために駅名を変えて認知してもらおうという動きはあちこちで起きている。駅名を変えるだけで、劇的に利用者サービスが向上するケースもあるのだ。

国交省が発表した2018年度の混雑率調査によると、東京圏は全体としてはほぼ横ばい。数十年前と比較すると、電車の混雑は確実に改善している。しかし、今なお混雑率が年々悪化している鉄道路線も存在する。

東海道新幹線の新型車両に、停電時でも走行できるバッテリーが搭載される。高速鉄道では初だが、実は地下鉄では、すでにバッテリー搭載車が走っている。東日本大震災の教訓から開発が急ピッチで進んだ鉄道の非常用バッテリーは、災害時だけでなく、普段の省エネにも寄与する優れものだ。

東京五輪まであと1年。来週から東京都は「スムーズビズ」なる、鉄道や道路の混雑緩和の予行演習を行う。しかし、驚くほど広報されておらず、知っている人の方が少ないと思われる今回の取り組み。結局、鉄道の混雑緩和のために何をすればいいのか分からぬまま、大会本番まで1年を切ろうとしている。

日本一のクルマ社会である福井県で、鉄道利用者が大幅に増加している。全国の地方鉄道が苦しんでいる中、どのようにして利用者を増やしたのか?福井県のケースは、全国の悩める地方鉄道にとって大いに参考になるはずだ。

新潟県の地方私鉄「えちごトキめき鉄道」が来春、3割も運賃を値上げすると発表して話題になっている。生活に欠かせない鉄道だけに、いきなりの大幅運賃アップは利用者にも負担が大きいはずだが、問題の根っこを探っていくと、三セク誕生時に、すでに無理なスキームで出発していたことがわかる。

水平、垂直方向に発散した各路線のホームを、駅ビルや地下街を介して接続した、まるで迷路のような構造だった渋谷駅が今、大きく変わろうとしている。東京メトロ銀座線やJR埼京線のホーム移設工事が完了すれば、利用者泣かせだった駅は一変するだろう。

経営危機が騒がれているJR北海道だが、JR四国も負けず劣らず悲惨な経営状況となっている。モータリゼーションの波にあらがえず、自家用車や高速バスに負けっぱなしのJR四国は果たして、どこに活路を見出せるのだろうか?

大手私鉄に準じる売上高ながら、鉄道事業が連結売上高の1%にも満たない不思議な鉄道会社がある。静岡県の遠州鉄道と静岡鉄道である。しかし、鉄道事業が片手間なのかといえば決してそうではなく、むしろ充実した事業展開をしている。今回はこのユニークな2社をご紹介する。

「横浜シーサイドライン」の逆走事故で、自動運転に対する懸念の声が高まっている。しかし一口に「自動運転」といっても、実はその内容はさまざま。今回の事故路線と同規格、かつ無人運転で運行しているのは、神戸の「六甲ライナー」、東京の「ゆりかもめ」「日暮里・舎人ライナー」だが、自動運転はどのようなシステムで構成されているのか、どこに不具合の可能性があるのか、問題を整理した。

優れた鉄道車両に贈られる、鉄道の「ブルーリボン賞」。今年は小田急の新型ロマンスカーが受賞した。今回受賞した新型70000形「GSE」は、複々線化完成にあわせてデビューした記念すべき車両だ。

JR北海道が建設中の北海道新幹線、新函館北斗~札幌間を時速320キロに引き上げるための工事を国土交通省に申請した。時速引き上げは北海道新幹線の増収増益に寄与し、JR北海道の経営は上向くのだろうか?

5月8日、東急電鉄の駅にある券売機で、銀行預金を引き出せるサービスが始まった。鉄道会社がキャッシュアウトサービスを始めた背景にはどんな事情があるのだろうか?

2016年の開業以来、利用者数が右肩下がりと苦戦してきた北海道新幹線だが、ゴールデンウイークの10連休は久々に好調だった。JR北海道の経営再建の切り札になるようなドル箱路線になる日は本当にくるのか?北海道新幹線の未来を占うために、戦後の本州〜北海道の鉄道vs航空機の歴史を振り返ってみよう。
