枝久保達也
今年末にも開業見込みといわれる「相鉄・JR直通線」の工事が大詰めを迎えている。といっても、実は線路を新設するのはたった2.7kmの区間のみ。そのほかは、既存の貨物線などを縫うように走る電車なのだ。実は東京圏や大阪圏などの大都市圏では、この「貨物線の旅客転用」が輸送力アップの秘密兵器として活躍している。

大阪メトロは昨年末、夢洲駅に高さ275メートルのビルを建設する計画を発表した。関西ではアベノハルカスに次ぐ高さで、総工費は約1000億円。しかし、この計画には危うさもつきまとう。

昨年末、大阪メトロが発表した、駅のリニューアルデザイン案に、浪速っ子から大ブーイングが起きている。奇抜なデザインにも驚かされるが、すでに市営地下鉄時代に改装工事に着手している梅田駅、中津駅などのデザインを再変更するなど、経営判断の観点からも摩訶不思議である。

今年3月のダイヤ改正で北海道新幹線の東京〜新函館北斗間が4分間短縮されたことが大ニュースとなっている。鉄道の所要時間が4時間を切ると、飛行機とのシェアが逆転するという「4時間の壁」説があるからだ。しかし、つぶさに検証してみると、シェアを左右するのは単純に所要時間だけではない。現状の分析を基に、北海道新幹線の未来を考えてみよう。

新小岩駅快速線ホームで使用が始まったホームドア。「自殺の名所」という扱われ方をされてしまい、自殺者が増えたために設置を急いだと見られるが、そもそもホームドアは自殺防止が主目的ではない。なぜ1.3メートルという中途半端な高さのドア設置が進められているのか、設置にはどんな困難があるのかなど、ホームドアを巡る疑問に迫ってみた。

JR東日本は山手線で自動運転の試験を実施すると発表した。ゆりかもめ等のゴムタイヤで走る新交通システムでは、運転士が乗務しない「ドライバレス運転」がすでに実用化されているが、「なぜ今になって鉄道の山手線で」なのか。

JR東日本は4日、田町~品川間の新駅の名称を「高輪ゲートウェイ」に決定したと発表した。駅名案は一般公募が行われ、JR東はあらかじめ、これは投票ではなく応募された全ての案を参考に選考すると予防線を張っていたが、駅名に対する評価は芳しいものではなかった。

12月9日は「障害者の日」。平成のあいだ、日本の公共交通におけるバリアフリーは大きく進歩した。しかし、いまだにタクシーや飛行機で障害者対応が十分ではなくて問題になったり、電車とホームの間の隙間や段差が車いす利用者の不便になっている。今の日本の交通バリアフリーに欠けているものは何だろうか?

2025年の万博開催地が大阪に決定した。大阪はカジノを含むIR施設誘致にも乗り出しており、万博開催地とIR施設予定地はなんと隣同士。万博だけでも鉄道輸送は大混雑が予想されるが、もしIR誘致が成功してしまえば、混雑はさらに増す。

鉄道やバスはもちろん、レンタカーやカーシェアリング、レンタサイクルなど、あらゆる移動手段をオンライン上で一括検索できるようにするなどして、マイカーに頼らずとも人の移動を便利にする「MaaS(マース)」。まだ耳慣れない言葉だが、最近は鉄道事業者が相次いで実証実験をスタートさせるなど、ホットな取り組みとなってきている。

12月2日、東京メトロ千代田線綾瀬駅から小田急線を経て、JR御殿場線御殿場駅まで直通する特急「メトロあさぎり号」が臨時運転される。マニア垂涎のチケットはすでに完売。地下鉄直通特急というジャンルは今後、どのような広がりを見せていくのだろうか?

経営難に陥っているJR北海道が表明した運賃値上げ。しかし、沿線自治体からは非難の声が殺到している。JR北海道の値上げは果たして妥当なのか。それを考えるには、他社との比較や、旧国鉄時代から今まで引きずっている運賃政策のまずさを知る必要がある。

鉄道やバスに、じわじわと広がりを見せているQRコード決済。都市部ではSuicaなどのICカード決済がずいぶん普及しているが、バスやローカル線など地方交通への普及は高額な導入費用がネックとなる。そこで期待されているのが、都市と地方の両方で、ICカードがカバーできないスキマを埋めるQRコード決済である。

18人もの死者を出した台鉄の特急脱線事故。早くから運転士の過失が報告されていたが、ここにきて、日本製の車両に設計ミスがあったことが発表された。果たして、この設計ミスはどの程度、今回の事故に影響を与えたのだろうか?

2019年2月、東京メトロ丸ノ内線に赤い電車が帰ってくる。地下鉄のみならず、JRでも近年は銀色車体の電車が主流だが、かつては赤やオレンジ、ブルーなど、さまざまな色に塗装された電車が走っていたものだ。カラー車体はなぜ、消えていったのだろうか?

上場から2年、今やJR九州はしっかり収益基盤を確立した。国鉄分割民営化当時に「経営困難な三島会社」とされていた同社だが、いまだ経営難にあえぐJR北海道、JR四国とは何が違ったのだろうか?そこから見えてくるのは、完全民営化では解決することのできない地方ローカル線の現実であった。

築地市場解体と同時に始まる「環二通り」のトンネル工事。開通を待って2022年に開業予定なのが、バスを利用した交通システム「BRT」である。過疎地の鉄道代替手段として取り上げられがちなBRTだが、実は都市部における、費用対効果の高い新たな交通機関として注目されている。

東京五輪開催時に予想されている、首都圏での交通機関の混雑問題。先日、東京大学に集結した産官学のキーマンたちは、この大問題への対策として、一体どんなことを話し合ったのだろうか?

JR西日本の「計画運休」に称賛の声、台風21号から乗客守る
9月4日、近畿や四国地方で猛威を振るった台風21号が上陸した際、JR西日本や私鉄が行った「計画運休」の評価が高まっている。4年前、JR西日本が初めて行った際には批判もあった計画運休。しかし、予測可能な天災から乗客を守る手法としては、非常に重要である。

山手線で導入が進められているE235型の新型車両。外観も特徴的だが、車内に入って驚くのは窓の上にずらっと並ぶデジタルサイネージ(電子看板)だ。JR東日本が山手線を皮切りに進めている車内広告のデジタル化は今後、同社のほかの路線はもちろん、ほかの鉄道事業者にも広がっていきそうだ。
