枝久保達也
鉄道やバスに、じわじわと広がりを見せているQRコード決済。都市部ではSuicaなどのICカード決済がずいぶん普及しているが、バスやローカル線など地方交通への普及は高額な導入費用がネックとなる。そこで期待されているのが、都市と地方の両方で、ICカードがカバーできないスキマを埋めるQRコード決済である。

18人もの死者を出した台鉄の特急脱線事故。早くから運転士の過失が報告されていたが、ここにきて、日本製の車両に設計ミスがあったことが発表された。果たして、この設計ミスはどの程度、今回の事故に影響を与えたのだろうか?

2019年2月、東京メトロ丸ノ内線に赤い電車が帰ってくる。地下鉄のみならず、JRでも近年は銀色車体の電車が主流だが、かつては赤やオレンジ、ブルーなど、さまざまな色に塗装された電車が走っていたものだ。カラー車体はなぜ、消えていったのだろうか?

上場から2年、今やJR九州はしっかり収益基盤を確立した。国鉄分割民営化当時に「経営困難な三島会社」とされていた同社だが、いまだ経営難にあえぐJR北海道、JR四国とは何が違ったのだろうか?そこから見えてくるのは、完全民営化では解決することのできない地方ローカル線の現実であった。

築地市場解体と同時に始まる「環二通り」のトンネル工事。開通を待って2022年に開業予定なのが、バスを利用した交通システム「BRT」である。過疎地の鉄道代替手段として取り上げられがちなBRTだが、実は都市部における、費用対効果の高い新たな交通機関として注目されている。

東京五輪開催時に予想されている、首都圏での交通機関の混雑問題。先日、東京大学に集結した産官学のキーマンたちは、この大問題への対策として、一体どんなことを話し合ったのだろうか?

JR西日本の「計画運休」に称賛の声、台風21号から乗客守る
9月4日、近畿や四国地方で猛威を振るった台風21号が上陸した際、JR西日本や私鉄が行った「計画運休」の評価が高まっている。4年前、JR西日本が初めて行った際には批判もあった計画運休。しかし、予測可能な天災から乗客を守る手法としては、非常に重要である。

山手線で導入が進められているE235型の新型車両。外観も特徴的だが、車内に入って驚くのは窓の上にずらっと並ぶデジタルサイネージ(電子看板)だ。JR東日本が山手線を皮切りに進めている車内広告のデジタル化は今後、同社のほかの路線はもちろん、ほかの鉄道事業者にも広がっていきそうだ。

大都市圏で電車に乗る人なら毎日お世話になるであろう「つり革」。長らくポピュラーだった丸形に加えて、近年は三角形も普及してきているが、この形の違いにはどんな意味があるのか。意外に奥深い「つり革のなぜ?」を解説する。

9月7日~9日、東急電鉄、横浜高速鉄道と横浜DeNAベイスターズがコラボした「ビクトリーツアー」が人気を博した。鉄道会社とプロ野球球団の関係は昔から密接。自前球団を持たない東急電鉄には、これまでにないユニークな戦略も期待できそうだ。

2020年に開催される東京オリンピックを巡って、ピーク時に鉄道の輸送力が不足するのではないかと懸念されている。1964年の前回大会を振り返ると、輸送力不足は何とかクリア。代わりに当時、鉄道事業者が四苦八苦したのは「外国人」であった。

少子高齢化が進む日本。当然、東京も例外ではないと考えられていたが、今年3月に出た最新の将来人口推計では、なんと東京のみが2045年になっても、現在の人口を上回るとされ、前回調査より大幅に上方修正された。ここまで人が増えると想定してつくられていなかった東京圏の鉄道整備計画にも、大きな影響が出るのは必至だ。

バブル期までの地下鉄は夏場、とてつもなく暑くて不快な乗り物だった。本来、地下は「夏でも涼しい」はずが、さまざまな要因が重なって暑くなってしまったのだ。再び「涼しい地下鉄」を取り戻そうと、営団地下鉄が導入したのは「トンネル冷房」。ほんの27年間ほど稼働しただけで姿を消した、幻の装置だ。

第二次世界大戦末期、東京も空襲の標的となった。都心を標的とした初めての空襲では、有楽町駅や地下鉄銀座駅で大勢の死傷者が出た。時代の最先端を行くオシャレな街として栄えた銀座が爆撃される光景を、人々は現実感もないまま呆然と見上げていたという。

今年4月に民営化した大阪市高速電気軌道(大阪メトロ)。同社が発表した中期経営計画を元に、大阪メトロの現状と課題を分析した。

2017年度の都市部の鉄道混雑率が発表されたが、「いつも乗ってる電車の混雑はもっとひどい」と感じている人が多いはず。混雑率の数値が必ずしも実態を反映していない理由を解説するとともに、通勤を少しでもラクにできる技をご紹介する。(鉄道ジャーナリスト 枝久保達也)

東京オリンピックに向けた駅工事が本格化する中、新たに五輪後に工事がスタートする新線計画や、既存路線の延伸計画が相次いで浮上してきている。鉄道建設は「計画3年、工事7年」が基本。五輪後工事スタートのためには、そろそろ計画を具体化する時期が来ているのだ。

130人を超える死者(10日時点)を出すという記録的豪雨が発生した。実は地下鉄にとっては、地震よりも水害が恐ろしい。東京、大阪など、網の目のように地下鉄が張り巡らされている地域では、どのような対策が取られているのだろうか?

JR東日本は3日、首都圏を走る在来線と新幹線の全車両に防犯カメラを設置すると発表した。今後、ほかの私鉄にも同様の取り組みが広がっていくだろう。防犯カメラにはどの程度の効果が期待できるのだろうか。

JR北海道の経営問題がクローズアップされている。国や北海道、沿線自治体に支援してもらえなければ、全路線の約半分を廃止せざるを得ないというが、そもそもJR北海道の経営はなぜ、ここまで悪化してしまったのだろうか?
