ネット証券会社比較
2014年4月2日公開(2016年5月31日更新)
久保田正伸

証券会社各社のスマホアプリを徹底比較!
世界情勢の確認からリスク管理までできる
工夫を凝らしたアプリを使いこなす方法

3月10日にSBI証券からiPhone版の「HYPER株アプリ」が登場。また、松井証券でも3月24日にアプリ「株touch」の機能改善が行われた。日進月歩で使い勝手が向上しているスマホアプリ、今回は各社で利用できる機能について、実際にツールを起動しながらチェックした。その中で見つけたお役だち機能を紹介しよう。

 チェックを行ったのは、ネット証券各社が提供する日本株対応のアプリについて。チェック項目は、「指数」「ランキング情報」「テクニカル指標」「注文機能」の4点。各社で利用できるサービスや新機能、注目点など、詳しく紹介しよう。なお、具体的なツール名称は【表1】に掲載した。どのツールも該当するネット証券に口座を開設すれば、無料で利用できる。

【表1】この記事でチェックしたツールについて

ツール名 対応商品 対応機種 備考
 ◆SBI証券
HYPER株アプリ 日本株 iPhone、iPod touch、iPad、Android FX、先物は別アプリ
 ◆カブドットコム証券
kabu.com for iPhone/Android 日本株、プチ株、先物・
OP、FX、CFD、投資信託、外貨建MMF、カバードワラント
iPhone、iPod touch、iPad、Android
 ◆GMOクリック証券
iClick株 日本株 iPhone、iPad Android版「株roid」もある
 ◆松井証券
株touch 日本株、先物・OP iPhone、iPad、iPod touch、Android
 ◆マネックス証券
マネックストレーダー
スマートフォン
日本株 iPhone、iPodtouch、Android iPad版の「マネックストレーダー」もある。
先物版は、「マネックス・マーケットステーションスマートフォン」
 ◆ライブスター証券
livestar S 日本株、先物・OP iPhone、iPad、iPod touch、Android Android版はタブレット
端末未対応
 ◆楽天証券
iSPEED 日本株 iPhone、iPad、iPod touch、Android 先物・OPは専用
ソフトあり

 ※対応機種など、詳しくは各社ホームページでご確認ください。

スマホで国内外の指数を表示

 日本株の動向は、海外の市場や為替など、グローバルな要因に左右される。そこで重要なのが、国内外の指数をチェックしておくこと。最近ではスマホで表示できる指数が増えており、通勤電車の中でも手軽に世界中の指数の動きがわかる。

【図表2】SBI証券「HYPER株アプリ」で表示されるさまざまな指標

 たとえば、SBI証券の「HYPER株アプリ」では、CME日経先物が見られる【図表2】。日経先物はシカゴ(CME)でも取引されており、日本の日経平均は、シカゴの動向を受けて動き出すため必見だ。

カブドットコム証券の「kabu.com for iPhone/Android」では、色々な先物価格が見られる。日経先物をはじめ、東証REIT指数先物(不動産の状況)、NYダウ先物(アメリカの動向)、日経平均VI先物(相場の変動予想関連)など。

 他社ではあまり見られないが、市場に影響を与える重要な情報が見られるのがエイチ・エス証券の「スマ株」。WTI原油や金先物といった商品価格、日米の10年国債の金利が見られる。

 「JPX日経400」は今年から算出が始まった新指数だが、松井証券の「株touch」や楽天証券の「iSPEED」では、早くも表示が可能だ。

最新ランキングなら10分前比の値上り銘柄もわかる

 ランキング情報といえば、値上率や値下率、売買代金、出来高が一般的だが、それ以外の情報もチェック可能【図表4】。最近、出来高や売買代金の「急増」ランキングが見られるツールが増えている。

 「出来高は株価に先行する」と言われている。たとえば、長らく低迷してきた銘柄の出来高が急増すれば、上昇ののろしかもしれない。

 場中でも利用できる実践的なランキング情報を提供しているのが、マネックス証券の「マネックストレーダー スマートフォン」。PC版のマネックストレーダーに実装されたランキングが表示可能だ。

【図表5】「Top Price Range」は、当日の高値・安値の値動きが大きい銘柄のランキング。画面中の「変動率」に注目。マネックス証券の「マネックストレーダー スマートフォン」で表示可能だ。

 たとえば、値上率ランキングだけでも、「前日終値比」「10分前比」「当日始値比」「気配値(寄り前時間込み)」と種類が豊富。また、「Gap Up・Down」(直前の株価から大きく値上がり・下がり)、移動平均やVWAPからの乖離率(直近、または当日の値動きで大きく株価が上下)ほか、ユニークなランキングが多い【図表5】。

 ランキングをさらに絞り込めるスマホもある。一般的には「市場別」だが、他にも「自社内」(SBI証券「HYPER株アプリ」)、「登録銘柄内」や「保有銘柄内」のランキング(GMOクリック証券「iClick株」)などもある。

ライブスター証券の「livestar S」では、業種内銘柄のランキング表示が可能。また、ランキングの対象となる時間を、前日比、5日前比、52週、年中など細かく設定ができる(ただし、設定できない項目もある)。

一目均衡表やボリンジャーは標準。充実のテクニカル指標

松井証券は3月24日から「株touch」(iPhone版)のテクニカルチャートなどについて機能改善を行った。

 他社であまり見られない機能として、信用残(週足)や比較チャートの表示機能がある。画面スワイプ(なぞる)で表示位置の変更、ピンチイン・アウト(指でつまんで拡大・縮小)もできて、使い勝手がいい【図表6】。

【図表6】チャートの横表示。日足や分足などの切り替えも画面中のボタンで簡単。

 移動平均線、ボリンジャーバンド、一目均衡表は、この記事で紹介したどのスマホでも表示が可能だ。加えて、さまざまな指標が使える【図表7】。

 テクニカル指標の種類の豊富さでは、カブドットコム証券「kabu.com for iPhone/Android」が26種類と抜きんでている。

 実用的で独特な指標が使えるスマもある。「価格帯別出来高」が利用できるのはエイチ・エス証券の「スマ株」だけ。「移動平均乖離率」が利用できるのは、「スマ株」と楽天証券の「iSPEED」だけだ。

SBI証券の「HYPER株アプリ」など、指標のパラメータを変更できるスマホもある【図表7参照】。たとえば、移動平均線では、25日、75日といった一般的な線だけでなく、お好みで何日の移動平均線でも(「HYPER株アプリ」では最長140日まで)設定できる。

 また、「HYPER株アプリ」では、表示方法に工夫が見られる。3段表示ができるので、一目均衡表(上段)、MACD(中断)、ストキャスティクス(下段)という風に3つの指標を同時に見られる。

楽天証券の「iSPEED」の場合は、一画面で4つのチャート、「5分足」「日足」「週足」「月足」を同時に表示できる。スマホの小さな画面でもトレンドが見やすい。

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スマホなら駆使したい特殊注文

 スマホはモバイルで使われる、常にザラ場が見られない状況を考えれば、特殊注文(自動売買)機能は重要だ。

 最低限必須となるのがリスク対策に役立つ「逆指値」注文で、これは【図表8】の全スマホで利用できる。

 逆指値注文とは、現物売りの場合、保有株の損切り(利益確保)設定となる。予想外の急落が起きた場合に大きな損失を防ぐ。

 「現在低迷中だが、上昇した時には買いたい」。そんな銘柄があれば買いの逆指値を設定しておく。レンジ高値突破などの条件を満たした時に注文が出るので、トレンドに乗り遅れない。

 特殊注文には、逆指値以外にも色々な種類がある。その趣旨は、「リスク対策」と「利益追求」にある。スマホでもっとも多彩な特殊注文が利用できるのがカブドットコム証券の「kabu.com for iPhone/Android」。

【図表9】ライブスター証券の「livestar S」では、逆指値、OCO、IFD、IFDOなど、さまざまな特殊注文が利用できる。

 また、ライブスター証券の「livestar S」にも昨年10月に機能が追加された【図表9】。特殊注文に興味がある方は、ネット証券のホームページ上の解説などを参考にしてほしい。注文は一定の期間出しっぱなしにできる。普通は週末までが限界だが、「livestar S」ならば最長30営業日。特殊注文の設定し直しといった注文の手間が省けて便利だ。

松井証券「株touch」では新機能「約定Push通知」が実装された。「株touch」を起動していない状態でも、注文約定時に端末上に通知が出る。

 さて、ここまで「指数」「ランキング」「テクニカル指標」「特殊注文」と4つのスマホ機能について紹介してきた。立派なトレーディング環境がなくても、スマホだけでもできることは多い。ぜひ、多彩な機能を相場ライフに役立ててほしい。

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