サマータイムよりも、
シエスタを

 夏の電力不足に対応するために、サマータイム制を検討している企業がある。たとえばソニーは4月13日、午前9時~9時30分の始業時間を1時間早める「ソニー版サマータイム」を導入すると発表した。

 もう皆さん、お分かりだと思う。

 始業時間・終業時間をずらすだけのサマータイムでは、やはり意味がない。朝8時から仕事がはじまり、11時にランチ、12時から午後の仕事となると、最大ピーク時の電力需要に一切影響がないからだ。

 それどころかピーク時の13~15時が、全員が出社を義務づけられるコアタイムになりかねない。各社が横並びでサマータイムを導入すると、下手をすると「ピーク時対策」としては、逆効果になりかねないのだ。

 始業を1時間早めるなら、その分を昼休みにプラスして13時から15時までの2時間としたほうが、よほど効果的に計画停電回避に貢献できる。

  • ●会社単位、ビル単位で昼休みをピーク時の13~15時の2時間に変更する
  • ●その間、エアコンはすべて止める。できれば照明もエレベーターも

 スペインやアルゼンチンなどの国々にはランチのあとに昼寝・午睡を取るシエスタという習慣が残っており、その時間帯(13時~16時くらい)は、企業・官公庁・商業施設などの多くが一斉に休憩時間に入る。今夏の計画停電を回避するためには、日本にもこの発想が必要なのだ。

 暑いオフィスでダラダラ仕事をするよりも、労働時間を1時間短縮してでも、休みと仕事のメリハリをつけた「真夏の計画停電・大規模停電回避対策」は効果が期待できるのではないか。国をあげての促進をぜひともお願いしたい。

次号に続く)