Q4 もともと勉強が得意な子ではなかったのですが、現役受験はすべて不合格でした。予備校にも通わず、ひきこもりのような生活をしています。模試もふるわず、まったく自信を失っています。私が浪人を許したのがいけないのでしょうか。

A4  「ひきこもりのような」とのことですが、そう呼ばれている子供たちの内実は十人十色。お子さんの場合は少なくとも自分から模試に参加しています。受験に落ちたり、模試の結果が良くなかったりすれば、誰だって落ちこみます。

 浪人の件も、一浪や二浪程度なら気にする必要はありません。もし、ご家族が浪人生がいることをネガティブに捉えているとしたら、そのことのほうが不健康です。まず、ご家族が「自信」を持ってください。

 受験生の心理は不安定なものです。それは逆に、小さなきっかけでも容易に好転する場合があることを意味します。息子さんがいつまでもうなだれているようでしたら、1週間くらい勉強をストップし、あとひとふん張りで合格できそうな大学のキャンパスを訪ね歩いてみる、などの提案をされてみてはどうでしょうか。

 オープンキャンパスに出かけてみるのもいい機会になりえます。Q1ではその危険性を指摘しましたが、多くの説明会には現役大学生らによる受験相談コーナーも設置されています。「がんばれば受かるよ。大丈夫!」という先輩たちのわかりやすい励ましが、意外にやる気を喚起させてくれるものです。

Q5  「受験勉強なんかくだらない」「大学に行く意味がわからない」と言って、息子が勉強をしなくなりました。毎夜、遊び歩いてばかりいます。叱っても、「じゃあ、意味を教えてよ」と返されます。

A5  「大学に行く意味」は、当人が大学生活にポジティブな何かを思い描いていないと、納得させにくいものです。受験勉強の中身も、たしかにくだらないかもしれません。真正面から答えようとすると、これはけっこう難問です。息子さんはおそらく納得できる「意味」を見つけないと次に進めないのでしょう。

 もしそうならば、大学受験をさせなくてもいいのではないでしょうか。ただし、高校卒業後は自活が条件です。大学生という、見方によっては不当に優遇された身分を自ら捨てるのですから、「養ってもらえない」ことは当然です。勘当ということではなく、自活という意味で、一人暮らしをさせることも必要でしょう。

 そこまではっきりとした、かつ親として筋の通った態度を示した場合、彼はどうするか。それこそ本人次第ですが、「大学に行かせてください」と腹を括る子供が大多数だと思います。もし、働く道を選んだとして、働きはじめてから「やっぱり大学に行きたい」と言い出したら、それは彼がはじめて自分で探し当てた受験動機ということです。そのときは物質的な援助もされたらいいのだと思います。

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