明治維新の際のお雇い外国人ではないが、今こそわが国は広く門戸を開いて外国人の原子力専門家を招聘する必要があるのではないか。そして、それを依頼するためには、今月末のG8が千偶一在の好機であると考える。
ボランティアについても
世界の助けが必要ではないか
通常、大震災が起こった当初は、ボランティアの供給量が急激に高まることが経験的にもよく知られている。人間は悲惨な状況を目にした時、何かをしなければと、焦燥感にかられる本性を持っているからである。一方、被災地域の人々は、大震災に直面したばかりであるから、ともすれば、しばらくは神経が昂ぶって気丈である場合が多い。要するに、被災当初は、ボランティアの供給が過剰となり易く、一方で需要はさほど大きくはないのである。
ところが、数ヵ月が経って落ち着いてくると、ボランティアの供給と需要が逆転してしまう。何かをしなければという焦燥感は日常生活の中に徐々に埋もれてしまい、一方で被災地域の人々の喪失感は徐々に高まってくるからである。したがって、東日本大震災に即して考えてみれば、まさに、これからこそが真のボランティアの活躍時期に当たるのだ。
加えて、被災地域は高齢化が進んでおり、これからの復興については働き盛りの人材をある程度は集めてくる必要がある。そうであれば、被災地域復興のためのボランティアについても、広く世界に門戸を開いて外国人(学生等)をも受け入れてはどうか。諸外国には、ギャップ・イヤーという制度もあって、むしろわが国より中長期のボランティアには馴染んでいる面もある。専門家もボランティアも、この際、世界に「助けてください」とお願いすればいい。
このように、G8の場を上手く活用して、わが国が広く世界に開かれた国であるという印象を与えることができれば、わが国は、国際社会の幅広い共感を勝ち取れるのではないだろうか。