人事制度は、人材育成をベースにしたものにしなければならない。自分の将来が見える、キャリアステップを明確にしたものであるべきだ、と。

 将来が見えないというのは、若い人に限らず、誰もが不安を感じるものです。自分がどんなキャリアを積み、どんな将来を歩んでいくのかわからないのは、地図も持たずに見知らぬ場所を旅するようなものです。

離職率の高い会社は
評価制度が整っていない

『人事の超プロが明かす評価基準』西尾太 著 三笠書房刊 1300円+税

 当時のCCCでは「一般給与制」と「年俸制」の2つの人事制度が混在し、どちらの制度にも問題点がありました。

「一般給与制」は、階層概念がないために、仕事に見合った適度な昇給がない。だから「先が見えない」。

「年俸制」も評価基準が曖昧だったので、キャリアアップの具体的なイメージがわきにくい。

 今、人事コンサルタントとして多くの会社の実情を知ってみると、離職率の高い会社、若手がすぐに辞めてしまう会社には、評価制度が整っていないという傾向が見られます。

 自分の成果に見合った評価をされなければ、優秀な人は当然、モチベーションが下がります。ほかの会社に転職したほうが給与も上がるかもしれません。人事制度が整った会社なら、自分の将来も具体的にイメージできます。

 たとえ同じ給与だったとしても、いえ、たとえ下がったとしても、将来に希望が持てる企業に移ることでストレスが減ると思えば、そちらを選択することは大いにあるでしょう。優秀な人ほど辞めてしまう「残念な退職」を防ぐ意味でも、明確な評価基準はやはり必要です。