コンピューターの役割が大きく変わりつつある

多田 「コグニティブ&クラウド・プラットフォーム」という言葉が出てきました。お二人が携わる部署とも関連が深いと考えますが、どのような意味なのでしょうか。

80周年を迎える日本IBM、企業が長く続く秘訣とは三澤智光 取締役専務執行役員 IBMクラウド事業本部長

三澤 私なりに意訳すると、今後はコグニティブあるいはAIのような概念を取り入れた新しいアプリケーションが必要であり、それを支えていくのがクラウドのプラットフォームであるということです。

 これまでのコンピューターによる事務的かつ定型的な処理に対し、コンピューター自らが提案するという大きな変化が起こっているのです。新しい時代に、新しいアプリケーションを用い、デジタライゼーションを支援するのが当社の役割だと考えます。

 IBMの強みは製品やクラウドなどの部品を組み上げサービス化するだけではなくて、業界の専門的な知識やスキルセットを付加して届けられることです。

 私のミッションはクラウドの仕組みそのものを届けることですが、キャメロンのGBS(グローバル・ビジネス・サービス)事業部門は、サービスをソリューションとして組み上げ、提供しています。部品とサービスを一緒に出せる仕組みは、他のクラウドコンピューティングカンパニーの比ではありません。

多田 三澤さんから見て、日本市場は順調に変化しているのか、それとも課題を感じられているのか、どちらでしょう。

三澤 それは両方あると思います。特に日米の企業を比べると、IT部門の性質が大きく違います。

 アメリカの企業は自社に人を抱え、実際に構築していく。一方、日本の企業は自社のIT部門は最小限にして、パートナー企業に構築を委託することが多いため、お客様の要求レベルに見合う製品を仕上げるにはソリューションが必要となります。

「お客様第一主義」とキャメロンも言っていましたが、日本のお客様のニーズに応えるためには完成されたサービスが必要となる。クラウド・コンピューティングという新しいテクノロジーを使って価値を完璧に伝える努力、お客様にも変化していただく努力を継続しなければなりません。