毒殺ストップのため、役所の屋根の上にハト小屋を建てて!

石黒 同じくドイツ、アーヘンでの話しですが、ハトの問題も、ああ、そんなことにも動物保護問題は及ぶのかと、非常に興味深かったです。政治も関わってきたりと。

本庄 ハトを毒殺されないようにするために、ハト政策、ですね!

石黒 僕の伯父が、レース鳩を飼っていて、小学校の頃、ハト小屋でエサをあげたり、美しく集団で飛んで戻って来るの眺めてたりしてたから、ハト小屋の写真見てなじみ深い感覚もあって。

本庄 ハトのフンが迷惑だといって、毒を飲ませる人たちが出てきてしまいました。その事態を受けて、住民で、ハトとの共生の道を探っていき、ハト小屋が建ったんです。

石黒 日本では人々の気持ちは同様にやさしいと思うんですが、実行力において、そういうのはなかなか追いつけないなあと感じますね。

本庄 政府の建物の上にハト小屋ができたのですが、その推進に動いたのが、私がアーヘンのシェルターを訪れた際に案内してくれたクナウフさんという女性で、ドイツ緑の党の女性政治家なんです。

石黒 政治家らしい熱意と行動力! そして、市民の問題だから、じゃあ、役所の屋根の上でいいよね、みたいな話しになったのか知りませんが、発想が柔軟かつクレバーですよね。そう、工夫で言うと、ハトの数のコントロール法が、目からウロコで!(笑)

本庄 あの、生み落とされた卵とプラスチックの卵をすり替えるという方法も、クナウフさんが進めたのですが、よく考えられてますよね! プラスチックの卵を抱いて温めてることを想像すると、避妊去勢問題にも似て、少し心が痛む感じもあるにはありますが……。

石黒 でも「数のコントロール」には有効だし、毒殺なんてことをしなくてすむのですから、2択なら、卵のうちに、と思うのは当然ですよね。

産み落とされていた卵(手前)プラスチックの卵(奥)